業界による給与格差…手取りで月3万円ほどの差だったが
日本標準産業分類に基づく16大産業別に見ていくと、20代前半の月収が最も多いのが「学術研究、専門・技術サービス業*1」で27万0,900円、手取りにすると20万円程度。一方で最も低いのが「複合サービス事業*2」で21万9,000円、手取りにすると17万円程度。額面で5万円、手取りで3万円程度の給与差が生じています。
*1:学術・開発研究機関 、法律事務所や税理士事務、経営コンサルタント業など専門サービス業(他に分類されないもの、広告業など
*2:信用事業、保険事業、または共済事業と併せて複数の大分類にわたる各種のサービスを提供する事業所。郵便局、農業協同組合等
手取りで月3万円程度の差であれば、「給与高くていいなあ」と口にしつつ、許容範囲ではないでしょうか。しかしこの給与格差、想像どおり、ずっと一定ではなく拡大していくばかりです。
大卒サラリーマン(平均年齢43歳、勤続年数13.5年)の平均月収は41万円、手取りで31万円、年収は推定631万円。仮に大学卒業後(現役、留年なし)、65歳まで働いたとしたら、単純計算、生涯年収は2億7,124万円ほどになります。
業種別にみていくと、最も生涯年収が高いのは「金融業、保険業」で3億5,116万円。ほか3億円を超えたのは、「鉱業、採石業、砂利採取業」と「学術研究、専門・技術サービス業」。平均値を超えたのは全9業種でした。
一方で最も生涯賃金が低いのは「宿泊業、飲食サービス業」で1億9,661万円ほどで、トップの業種とは1億5,000万円以上もの格差が生じます。あくまでも統計上の数値による単純計算ではありますが、業種によって億ションが買えてしまう以上の給与格差が生じているのは事実です。
会社員として「やりたい仕事」を選ぶことはもちろん大切なことですが、さまざまなシーンで実感するのは給与格差。それを許容できるかどうか、一度、自身に問いかけてみることも、のちのち後悔しないためにも必要なことかもしれません。