「タワマン、買ったら後悔」は本当か?
都心だけでなく、あちらこちらに建てられている高層マンション。20階以上かつ、60m以上のものを、タワーマンション、いわゆるタワマンと称することが多いですが、かつては都心かつ好立地、すべてが億ションというものが多かったので、その購入者といえば富裕層というのが定番でした。
ただ低金利で有利にローンが組めるなか、夫婦共働きで共に高収入、世帯年収は1,400万円以上という、いわゆる「パワーカップル」も高層階の億ションを手は届かなくても、それに近いタワマンが買える層として注目を集めています。
たとえば、ともに年収700万円という共働き夫婦がいたとしましょう。返済金利は年利1%、返済期間は30年とします。返済負担率は適正といわれる最大値の25%とすると、返済額は月14万5,800円。借入可能額はおよそ4,500万円です。頭金によっては6,000万~7,000万円の物件の購入が可能です。
リスクは高くなりますが、夫婦ともに借入を行い、返済負担率を20%とすると、月23万3,000円の返済で、借入可能額は7,200万円。億ションも検討の範囲に入ります。
いっとき、「タワマンなんて手が届かない」というイメージが広まりましたが、全戸億ションというプレミアム物件でない限り、低層階は周辺物件よりは2割ほど高いと言われていますが、一般層でも手が届く水準です。
実際、三菱地所レジデンスが分譲したタワーマンションの購入者に対して行ったアンケート調査によると、購入者の年齢層は首都圏では30代がトップで、年収レベルも都心・湾岸(首都圏)でも1,000万円以下が最多だったといいます。また首都圏の郊外駅近物件では、700万円未満が最も多く、年収が高くなるほど割合が低くなっていくとか。
そんなタワマンですが、検索をすると「買って後悔」という文言が目につきます。実際はどうなのでしょうか。新宿区が2020年に公表した『新宿区タワーマンション実態調査』では「現在居住しているマンションを選択した理由」をインタビューしています。
タワマン購入理由の1位は「利便性」で「眺望」「(ガードマンによる24時間警備等の)セキュリティの充実」「(コンシェルジュなどの)サービスの充実)」と続きます。そして半数近くの購入者が、購入時の期待を叶えられた、満足していると回答し、「買って後悔している」という不満はほとんどなかったとしています。