ハイリスクハイリターンな投資手法といわれるFX。少ない元手で大きな利益を狙える一方、損失も大きくなりやすく投資初心者は「いくらから投資をはじめるか」頭を悩ませる人も少なくありません。そこで、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が、少額投資のメリット・デメリットとともに、FX初心者が「適切な初期投資額」を見出すために必要なコトを解説します。
100万円の少額でもOK!FXをはじめるときの「適切な初期投資額」 ※画像はイメージです/PIXTA

FXを少額投資から始めるデメリット

投資の世界には「元手が大きければ大きいほど得られるリターンが大きくなる」という基本原則があります。そのため、FXを少額から始めることにはデメリットも存在します。

 

1.費やした時間に対する収益が小さい

投資信託や配当金のように不労所得であれば問題ありませんが、FXは自分で考えたうえで差益を取りにいかなければなりません。チャートを分析する時間、経済ニュースを見る時間……利益を出すためには多くの時間を費やす必要があります。

 

月の利益を時給換算すると初期投資額によっては数十円になってしまうこともあります。少額投資をすれば、それゆえに得られる収益が小さくなるのです。10万円を月10%で回しても、得られる利益は1万円です。

 

人によってはこの状態が精神的な苦痛となり、無理なトレードをする要因となります。

 

2.「負けては入金」の負のサイクルに陥る可能性がある

少額投資の最大のメリットである「大きく損失を被っても容易に次に繋げられる」ということが裏目に出てしまったパターンです。

 

少額であるがゆえに、負けて資金がなくなってしまっても損失に対する負の感情が小さくなりがちです。「資金がなくなってもまた入金すればいい」という考えの積み重ねが、最終的には大きな損失額に繋がってしまいます。

 

勉強のための少額投資から、大当たりを狙うギャンブルの少額投資へと考え方がすり替わってしまうと、このような悪循環に陥ります。

目的が明確になれば、稼ぐべき金額がみえてくる

以上の少額投資のメリットとデメリットを踏まえて、FX初心者はどのように初期投資額を決めていけばよいのでしょうか。

 

ポイントは「FXをする目的を明確にする」ことです。

 

FX初心者が初期投資額を決める際、まず明確にすべきことが投資の目的です。安定した収益を狙うのか、数ヵ月で元手を何倍にもしたいのか……目的が明確になれば、稼ぐべき金額がみえてきます。

 

月数万円を安定して稼ぎたいのであれば、元手が多ければ多いほど目的が達成しやすくなるでしょう。逆に1年で元手を数倍に増やしたいのであれば、大きなリスクを取らなければいけないので、勉強のためにも初期投資額は抑えるべきです。

 

まとめ

このように、自分が目的を達成するために背負うリスクを把握すると、自分にとって適切な初期投資額を決めることができます。FX初心者は勝てる手法よりも自分のリスク許容度を知るほうが大切なのかもしれません。

 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員