FXは土日に取引ができなくなる一方、価格は曜日に関係なく変動します。特に、政治情勢に関わる大きな出来事が土日に発生した場合、月曜日には大きく値が飛んで始まることがあるため注意が必要だと株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。では、FXのトレーダーは取引のできない土日をどのように過ごすべきでしょうか。清水氏が解説します。
売買はできないが…FXトレーダーは「土日が重要」なワケ【FXのプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

FXはなぜ土日が休みなのか?

FX証券会社が土日休みの理由は、世界各国のマーケットが休場のため取引ができなくなるからです。しかし、マーケットが休場したとしても、価格が変動しないわけではないのです。特に土日に政治情勢に関わる大きな出来事が生じた場合、月曜日に大きく値が飛んで始まることがあります。

 

週をまたいでポジションを持ち越すときは注意してください。

 

FXの取引可能な時間と曜日

FXの取引可能な時間と曜日FXの証券会社ごとに取引可能な時間が異なるため、会社ごとに確認する必要があります。

 

基本的には、月曜日の朝から土曜日の朝まで取り引き可能です。夏時間と冬時間で若干終了時間が異なります。

 

金曜日の相場の変動に注意

金曜日の相場の変動に注意土日の持ち越しは危険だと思っているトレーダーたちがポジションを手じまいするのが金曜日です。

 

そのため、通常のテクニカル分析では考えられない値動きが発生することがあります。トレーダーたちのポジションの決済を狙ったトレード方法も存在しますが、危険な状況であることは間違いありません。

 

ニューヨーク時間になると重要な経済指標も多く発表され、さらに相場が荒れやすくなります。毎月第一金曜日(*)の22時30分(冬時間、夏時間では21時30分)には最も重要な経済指標である「米国雇用統計」が発表されるため、特に荒れやすいです(*:正確には12日を含む週から3週後の金曜日)金曜日はロンドン時間のみ取引を行いニューヨーク時間は取引を行わないというのも賢い方法の1つです。

 

取引する通貨ペアの祝日を確認する土日は殆どのマーケットが休場となりますが、各国の祝日によってもマーケットの動きは緩やかになります。たとえば、日本が祝日の場合は、円がらみの値動きが緩やかになります。最も警戒しなければならないのは、アメリカの祝日です。相場に参加しているトレーダーの多くがアメリカ勢のため、アメリカが祝日になるとドル絡みだけではなく、あらゆる通貨ペアの値動きが緩やかになる傾向があります。

 

値動きが緩やかになってしまうと、テクニカル分析的にここで必ず動くと思われる場面でも動かなくなり、ポジションの持ち損になる可能性があります。ポジションを長期保有するのはリスクになると考えるデイトレーダーにとっては、長期保有する機会はできるだけ減らしたいところです。

 

祝日であっても大きな事件等が起これば、相場は激変し、損切り注文を入れていても、注文が滑って(スリッページ)設定された値で決済されずに大損する可能性があります。