(※写真はイメージです/PIXTA)

いつの間にかできている口内炎。いつか治るだろうとつい放置してしまいがちですが、いつまでも治らない口内炎は、「舌ガン」を疑ったほうがいいかもしれません。食生活が変化し、食事の際あまり嚙まなくなった現代では「歯並び」が原因で舌ガンになる人が増えていると、医療法人健幸会安藤歯科クリニックの安藤正之先生はいいます。今回は、そんな現代の舌がんの原因と予防方法、口内炎との見分け方について詳しくみていきます。

現代人の多くが抱える「歯並び」の問題

[図表2]Ⅱ型の歯並び
[図表2]Ⅱ型の歯並び


[図表2]は、Ⅱ型と分類しました。Ⅰ型に比べアーチの幅は狭く、V字形の歯並びをしています。歯が内側に倒れこんでいて、舌に歯の痕がついているのがおわかりいただけるでしょうか?

 

この歯の痕が「舌ストレス」で、現代人の典型的な形です。筆者のデータでは、70%の方がこれに属します。

 

[図表3]Ⅲ型の歯並び
[図表3]Ⅲ型の歯並び


[図表3]は、V字の歯並びをさらに逸脱して、真ん中あたりの歯が舌側に倒れこんでいます。これをⅢ型と分類しました。

 

舌にもえぐれたような歯の跡がみえますが、これが強烈な舌ストレスとなっています。現代人の4人に1人がこのケースです。肩こりや腰痛などの不定愁訴も多く、矯正治療が必要なケースも多々あります。

 

しかし、この内側に突き出た真ん中あたりの歯は、肩こりや首のこりの原因にはなりますが、舌ガンになる可能性でいうとほとんどありません。

 

というのは、舌ガンの原因となる歯は、一番後ろの歯である「7番」が約30%、その1つ手前の「6番」が約70%と、ほとんどをこの後ろの2歯で占めているからです。

2週間経っても治らない口内炎は「舌ガン」かも

舌ガンは持続した歯の刺激によって起こる

舌ガンの口のなかを模写したイラストでご説明します。

 

[図表4]舌がんになった口中①
[図表4]舌ガンになった舌①


[図表4]は、6番という後ろから2番目の歯が原因で舌ガンになっています。6番の立ち上がった咬頭が、繰りかえし舌を刺激した結果、舌ガンになってしまったのです。このように、通常の炎症であれば、2週間程度で治る傷がいつまでたっても治らない場合は、舌ガンを疑ってみたほうが良いでしょう。

舌ガンになりやすい人…その予防法とは

では、舌ガンにならないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。それには、どんな人が舌ガンになりやすいのかをまず知る必要があります。

 

舌ガンになりやすい人は、

 

①お酒とタバコの習慣がある
➁口のなかが不潔
③歯並びがせまい
④いつも歯が舌に当たっている
⑤常に同じ部位に口内炎ができている

 

といった特徴があげられます。

 

したがって、舌ガンを予防するには、お酒とタバコの量をほどほどにし、お口のケアを丁寧に行うことが大切です。

 

また、歯並びが狭く歯が舌に当たっていて痛いのであれば、矯正治療で広げるのも1つの方法です。舌に当たる気になる歯があるなら、歯の形を変え、当たらないようにしておくといいでしょう。

 

要は、持続した化学的・物理的刺激を取り除けばよいのです。

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。