高齢化率上昇×認知症患者増加…恐ろしすぎる、日本の未来
このような状況に対して、国では令和元年6月に「認知症施策推進大綱」を取りまとめ、①普及啓発・本人発信支援、②予防、③医療・ケア・介護サービス・介護者への支援、④認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援、⑤研究開発・産業促進・国際展開の5つの柱に沿った施策を推進中。それぞれの施策にKPI/目標が設けられ、その達成を目指しているとされていますが、明るい話題は聞こえてきません。耳にするのは、悲観せざるを得ない話題ばかりです。
日本の人口推計によると、日本の高齢化率は、2025年に30.0%に達すると、2030年に31.2%、2040年には35.3%、3,920万人に達します。人口のピークはここですが、現役世代(15〜64歳)の人口がそれ以上のスピードで減少するため、高齢化率はさらに上がり続けます。2050年には37.7%、2060年には38.1%まで上昇するとされているのです。
そして2020年で現役世代2.1人で1人の高齢者を支えるという割合も徐々に低下していき、2030年には現役世代1.9人で1人、2040年には1.5人で1人、2060年には1.4人で1人を支えます。さらに、ここに前述の認知症の問題もプラスしてみましょう。思わず思考を停止してしまうほど、恐ろしい未来しか描けません。
このような状況下、対応としては大きく「現役世代の社会保障負担を引き上げる」か「高齢者の負担を引き上げるか」の二択となりますが、どうでしょうか。
いまの給与からさらに天引きされ、社会保障費にまわすとなると……「もうこれ以上はムリ!」というのが大半ではないでしょうか。
では高齢者の負担を引き上げ、医療費負担や年金の引き下げを考えてみましょう。単純な施策では低収入の高齢者ほど割を食うばかりで、さらに高齢者を介護する家族の負担も増すでしょう。結局は、現役世代に跳ね返ってくるわけです。
劇的な経済成長がない限り、今以上の痛みを覚悟しなければいけないのが現状。しかし誰もが決断を恐れ、問題は先送りされています。結果、より若い世代が激痛を味わうことになる……それが確実に訪れる、日本の未来です。