(※写真はイメージです/PIXTA)

日本人の5~6人に1人がかかるといわれ、もはや「国民の病」ともいえる糖尿病。糖尿病の治療はこれまでインスリンを使った治療が通常でしたが、より苦痛が少なく、目標が達成しやすい新薬も使われていると、森山記念病院内分泌代謝内科部長の高野幸路先生はいいます。注目の薬について、作用とメリットをみていきます。

普及し始めた新薬…ただしインスリンが必要なケースも

このように、インスリンに比べ多くのメリットがあるGLP-1作動薬はすでに臨床応用され、特に1週間に1回の注射薬として広く使われ始めています。多くの患者さんが使うようになったことで臨床効果も明らかになってきており、糖尿病で起こりやすい心臓の合併症や腎臓の合併症が、この薬であれば進行しにくいということもわかってきました。

 

ただし、ひとつ注意をしておかなければなりません。

 

GLP-1作動薬には上に述べたようなよい特徴がありますが、極端に血糖値が高い状態で発見された患者さんについては、最初にインスリンを使うことである程度血糖を下げる必要があります。血糖値が高すぎるとさまざまある糖尿病治療薬の効果が十分に出ないことがあるからです。

 

このような場合は、インスリンを使ってある程度の血糖まで下げてから、それぞれの患者さんに合う薬を考えていきます。

 

今回紹介したGLP-1作動薬のほかにも、複数の新規の治療薬が使えるようになりました。2型糖尿病の治療薬は以前に比べて使いやすく、また目標の血糖調節も得られやすくなっています。

 

患者のみなさんがこれら新薬の恩恵を得ることで、より苦痛の少ない治療、目標を達成しやすい治療ができるようになりつつあることは、筆者としても大変感謝している次第です。

 

 

髙野 幸路

森山記念病院

内分泌代謝内科 部長

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。