日本人のなかでもボリュームの大きな団塊ジュニア。この世代は不遇の世代であり、忘れられた世代といわれることがあります。彼らがどのような道を歩んできたいのか、そして現在、直面している問題についてみていきましょう。
手取り22万円…非正規の団塊ジュニア「もう一生救われない」の悲壮感 (写真はイメージです/PIXTA)

引きこもりも多い団塊ジュニア…「ずっと忘れられてきた」の断末魔

非正規雇用を続けてきた団塊ジュニアは、まだ良いほうかもしれません。この世代は、いわゆる引きこもりも多い世代です。

 

2019年、内閣府が発表した推計では、40~64歳で「自室や家からほとんど出ない」という状態が半年以上続いている引きこもりの人は61.3万人。調査年が異なるので単純な比較はできませんが、それよりも下の世代である15~39歳の引きこもりの推計は51.1万人と、7万人以上多くなっています。

 

やはり40~64歳のなかに、人口ボリュームの多い団塊の世代が含まれていること、就職氷河期に重なった人が多いことが要因とされています。

 

50歳前後で引きこもり……どのように生活をしているかといえば、親世代の年金というケースが多く、いわゆる「8050問題」と呼ばれる状況下にいます。親子で社会から孤立した状態にあるため、このままでは「9060問題」に移行することも現実味が帯びているのです。

 

「8050問題」に対して様々な対策が取られ、厚生労働省では全国に「引きこもり地域支援センター」を設置したり、相談窓口を設けたりしています。

 

ただ基本的にこのような対策はどれも、当事者が行動に移すことが前提であり、そもそも行動を起こせるか疑問視されています。結局は「ずっと忘れられてきた」ということなのでしょう。このまま見捨てるのか、それとも……慣例に縛られない支援策が求められています。