本記事では、ニッセイ基礎研究所の熊紫云氏が、老後のための資産形成のために何に投資すると良いのか、考察していきます。
老後のための資産形成-確定拠出年金等で老後のために何に投資したら良いのか?外国株式型、国内株式型、バランス型、外国債券型と国内債券型でのパフォーマンス比較 (写真はイメージです/PIXTA)

代表的な株式インデックスの過去の推移

国内外における代表な株式インデックスの過去の推移を振り返ってみよう。

 

日本から見た代表的な4つの金融・経済危機を取り上げ、株価暴落を挟む形で以下の期間に分けてそれぞれ見ていきたい。

 

・日本バブル崩壊直前からITバブル崩壊直前まで(1990年初~2000年2月末)

・ITバブル崩壊直前からリーマン・ショック直前まで(2000年2月末~2007年10月末)

・リーマン・ショック直前からコロナ・ショック直前まで(2007年10月末~2019年12月末)

・コロナ・ショック直前から現在まで(2019年12月末~2022年4月末)

 

株式インデックスには通常ニュースで報道されるプライスインデックス(PI、Price Index)だけでなく、トータルリターンインデックス(RI、Total Return Index)もある。トータルリターンインデックス、つまり配当込み指数は、構成銘柄の価格変化等によるキャピタルゲイン(売却益)だけでなく、分配金の再投資等によるインカムゲイン(配当収益)も反映しているため、常にプライスインデックスを上回る4。本稿では、投資信託の運用成績を表すのに用いられるトータルリターンインデックスを原則的に取り上げる5。

 

また、株式インデックス以外の資産クラスのインデックスとの値動きの違いを説明するため、リーマン・ショック以降の期間に限り、国内債券を代表するインデックスであるNOMURA-BPI(総合)と国内の上場不動産投資信託のJ-REITを比較対象として加えている。

 

*4:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社の指数の基礎情報「インデックス・リテラシー」サイトを参照した。

*5:ナスダック100のRIは2003年9月24日から算出された。本稿では、ナスダック100のパフォーマンスを保守的に示すため、1989年12月末から2003年8月末までPIを使用した。