株式をはじめ金融資産へ投資をおこなう場合、「時間を味方につける」という観点から、短期売買よりも中長期での投資が推奨されます。しかし、日本株、とくに日本の大企業の個別株については、中長期投資よりも短期売買のほうが向いていると、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。それはなぜなのか、みていきましょう。
日本株への投資は「中長期」よりも「短期」が向いているワケ【プロトレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

「トレード」と「株式投資」の違い

あなたはトレードと株式投資の違いを説明することができますか? 似たようなイメージがあるかもしれませんが、目的が大きく異なっています。

 

「株式投資」は、主に配当金や長期的な値上がりを目的とした投資です。一方、「トレード」は短期的な価格変動によって得られる差益を目的としています。

 

簡単にいうと、10年・20年単位で企業の成長を見届けるのが株式投資で、1日・2日の株価の推移だけに注目するのがトレードです。

 

日本の大企業の個別株は、株式投資よりもトレード目的のほうが効率よく稼げます。いったいどうしてでしょうか。

日本株は「短期の価格変動が読みやすい」

日本の大企業の個別株がトレードに向いている最大の理由は「短期的に価格がレンジ状態になる傾向が強い」からです。

 

基本的に配当金目当てに投資する場合、投資する株が右肩上がりの株価を維持している企業に投資することが望ましいでしょう。こうすることで、保有株式自体の価値が上がるに加えて、毎年配当金を得ることができます。この条件にあてはまるアメリカ株は、高配当株投資を行う多くの人に人気があります。

 

一方、日本の大企業の個別株は株価がレンジ状態に収束している企業が多くを占めています。つまり、右肩上がりの株価を維持している企業が少ないため、配当金目的の株式投資には向いていないといえます。

 

また、短期的に価格がレンジ状態になりやすいということは「短期の価格変動が読みやすい」ということを意味します。テクニカル分析に精通したプロトレーダーであれば、日本株のトレードは大きく損をすることなく利益を狙うことができると知っているはずです。

 

価格変動が読みやすい日本株は、トレードによってリスク以上の利益を得ることを可能にするのです。