不動産を購入しようと思ったとき、安心感を求めて知名度のある大手不動産会社を選ぼうとする人は少なくありません。しかし、「確実に優良物件を手に入れるためにはあえて中小を選んだほうがいい」と、株式会社エイマックス代表取締役の天田浩平氏はいいます。その理由について、本記事で詳しく解説します。
投資用「優良物件」と出会える確率…大手不動産よりも中小が高いワケ

大手の不動産会社には仕入れ値に「上限」がある

私の以前の勤務先は、かなり多くの優良物件を仕入れていました。そのおかげで、圧倒的な取引実績とお客様との信頼関係を構築できたわけですから、本当に感謝しています。

 

独立後の現在は、利益幅も仕入れ値もすべて経営者判断、つまり私の一存で決められるため、より厳選して、条件のいい物件を仕入れられるようになりました。

 

たとえば、東京の人気エリアの〝駅近物件〟、つまり、駅から徒歩数分といったような好立地物件は、やはり仕入れる価格も高くなります。条件のいい物件を仕入れる場合は、自社の利益幅が限りなくゼロに近くなることもありますので、大手不動産会社は、なかなか手を出しません。そのような物件を、われわれは優先的に仕入れるようにしているのです。

 

こういった業界の裏情報を、お客様はまず知りません。むしろ逆で、扱っている物件数が多い大手のほうが、より優良物件の数も多いと思われがちなのです。

 

しかし先にも述べたように、大手は営業ノルマや利益率に厳しい会社がほとんどです。社員も多く、営業マンだけでなく、関連業務のスタッフもたくさん抱えていて経費もかかっています。したがって、仕入れ価格などにも制限が当然かけられているのです。

 

つまりそうした会社の事情により、多少条件が悪くなるとはいえ、利益幅が高くなりうる優良とは言い難い物件の仕入れも、受け入れなければ会社は維持できません。会社の売上規模に応じた物件数を仕入れて、数多く販売しなければならないのが現実です。

 

そうなると、投資用物件としては、多少リスクが高い物件を買ってしまうお客様が、まったくいないとは言いきれなくなります。

 

中古ワンルームマンション投資では、「立地」と「適正な家賃」が大事です。ただし、好立地の物件は、その数も限られています。仕入れ価格もおのずと高くなる傾向にあります。そこで、小規模な不動産会社は、仕入れ価格の高い優良物件であっても、値頃感のある価格で販売することで、会社の信用や実績を積み上げることができます。

 

わが社もそうですが、目先の利益よりも、物件の条件が優先です。そういった物件を積極的に扱っている会社もあることを知っておいていただければ幸いです。

 

 

天田 浩平

株式会社エイマックス

代表取締役