不動産取引の重要なインフラである、「レインズ」の正確な物件取引情報を出してもらう
私は、不動産業界で働いている以上、お客様に有益な情報を提供することがこの仕事の成果につながると信じています。しかし、世の中には、お客様よりも、自分の会社にとってメリットがあるとしか思えない情報を出している不動産会社もあるのです。残念なことです。
そのため、不動産投資の物件を吟味する際には、本当に正しい情報を与えてくれているかどうか? 不動産に関する説明を正しくしてくれているかどうか? という点も重要になります。
物件情報については、不動産業者しか見ることができない「レインズ(REINS)」という不動産取引情報サービスがあります。
「レインズ」は、国土交通大臣から指定を受けた公益財団法人などが運営しているコンピュータ・ネットワーク・システム「不動産流通標準情報システム(Real Estate Information Network System)」です。東日本エリアの場合は、東日本不動産流通機構が運営し、「東日本レインズ」と呼ばれています。
この流通機構の会員不動産業者だけが、関与する不動産の情報を受け取ったり、提供を行ったりできるシステムで、情報交換はほぼリアルタイムで行われています。
売り手、買い手、貸し手、借り手の最新情報が、取引価格も含め、つねにアップデートされているため、不動産取引においては欠かせないインフラとなっています。
「口」だけの情報は安易に信じない
一般の人は見ることができませんが、良心的な不動産会社の信頼できる営業マンであれば、「レインズ」に出ているデータを見せてくれるはずです。具体的に物件購入を検討したい場合、近隣の類似物件の賃貸事例なども見せてくれれば、誠意ある対応だと思っていいでしょう。
そうした正しい情報を出さずに、口頭だけで本当かどうか確認しようのない成約事例を話す営業マンもいます。
また、相場より割高な可能性のある物件を、いかにもお買い得かのようにセールスする営業マンにも注意が必要です。
実際、他社で中古ワンルームマンションを買ったお客様に、物件概要書を見せてもらうと、レインズでの取引情報では家賃相場が月額8万5000円であるにもかかわらず、〝9万5000円の家賃相場である〟という口頭での情報を信じ込み、購入に至ったケースが山ほどあります。
売買契約してしまったら、どんなに後悔してもあとの祭りなので、「うまくやられてしまいました……」と肩をガックリ落とされる方もいらっしゃるのです。
天田 浩平
株式会社エイマックス
代表取締役