多くの人にとって、一生に一度の大きな買い物であるマイホーム。通常、何千万円にもなるものなので、住宅ローンを利用するのが一般的です。ただそのなかには「希望通りの金額を借りることができなかった」というケースも。みていきましょう。
世帯年収800万円も門前払い?銀行員「あなたにお金は貸せません」と言ったワケ (写真はイメージです/PIXTA)

注文住宅、分譲一戸建て、分譲マンション…マイホームを実現させた人の平均像

日本人は持ち家志向がまだまだ高く、持ち家率は全国で6割程度。5割を切るのは、沖縄県と東京都だけです。

 

おのおの事情に合わせて資金計画をたてて夢のマイホームを実現させていますが、実際のプランはどのようなものなのでしょうか。国土交通省『令和3年度 住宅市場動向調査』で紐解いていきましょう。

 

まず一戸建てを建てた(注文住宅、1次取得者)という人をみていきましょう。

 

世帯主の平均年齢は40.0歳、世帯年収は733万円。そして肝心のマイホームの購入資金は平均5,111万円。借入金の平均は3,909万円で、自己資金比率は平均23.5%でした。返済期間は、住宅建築費については平均32.9年、土地購入資金については平均34.2年でした。

 

次に分譲戸建てを購入した(1次取得者)という人。

 

世帯主の平均年齢は37.2歳、世帯年収は703万円。マイホームの購入資金は平均4,205万円。借入金の平均は3,406万円で、自己資金比率は平均19.0%、返済期間は34.1年でした。

 

そして分譲マンションを購入した(1次取得者)という人。

 

世帯主の平均年齢は39.5歳、世帯年収は852万円。マイホームの購入資金は平均4,674万円。借入金の平均は3,337万円で、自己資金比率は平均28.6%、返済期間は32.0年でした。

 

マイホームのスタイルによって多少異なりますが、「40歳の手前、世帯年収は700万〜800万円程度。4,000万〜5,000万円程度の住宅を、3,000万~4,000万円・30年〜35年のローンを活用して夢を実現」というのが平均的な姿のようです。

 

厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、大卒男性正社員の基本給は、平均39万4,400円、推定年収は647万8,000円。30代後半では基本給36万8,200円、推定年収625万2,200円。それだけだとマイホームの実現は難しく、夫婦共働きが多いといえそうです。