死亡症例も…熱中症でみられる「4つ」の症状
熱中症はその症状によって、「熱射病」「熱疲労」「熱けいれん」「熱失神」という4つの状態に分けられます。一番症状が重いのが熱射病で、深部体温が限界を超えて上がり命に関わる状況なので、すぐに全身を冷やしつつ集中治療室での全身管理をする必要があります。
日常よくみられるのは熱疲労という状態です。熱疲労では、軽度から中等度の脱水がありますが、体温はそれほど上昇していません。めまいや頭痛に加え、軽度の意識障害や、一時的な失神(熱失神)がみられることもあります。熱けいれんといわれる、筋肉のけいれん(こむら返り)が起こることもあります。
また、おなかの症状があるのも特徴で、おなかの臓器への血流が悪くなったり、めまい自体が吐き気や嘔吐を引き起こすと考えられています。熱疲労も放っておくと悪化して熱射病に移行してしまう可能性があるので、気づいた時点でなるべく早く対処する必要があります。
「熱中症かも」と思ったら…すぐにやるべき対処法
涼しい場所に移動する
熱中症は屋内・屋外問わず、外気温や湿度が高いときに発症します。屋外であれば風が通る日陰、屋内であればできれば空調できる場所への移動が望ましいです。また、衣類も脱がせるかなるべく緩めるようにし、風が通るようにして寝かせてあげましょう。
体を冷やす
体の中で大きな血管が通る部位を積極的に冷やしましょう。具体的には首の後ろ、脇の下、太ももの付け根です。低温やけどしないように注意しながら、氷嚢やアイスノンを当ててあげましょう。すぐにこうしたものが手に入らない場合には、自販機などで売っている冷えたペットボトルでも代用できます。
また、熱を逃がすために、表面を少し濡らしたあとにうちわなどで扇ぐのも効果的です。薬局などで販売しているジェルシートは体温を下げる効果はないので、注意しましょう。
水分を摂らせる
意識がはっきりしているようであれば、冷たい水分を与えて中から冷やすのも効果的です。熱中症では脱水は必ず存在するので、脱水の補正と、体温を下げることの両方に有効です。水分はお茶や水ではなく、必ず経口補水液など塩分を含んだものにしましょう。
経口補水液が手に入らない場合には、自作することもできます。水500mlに対して塩ひとつまみと砂糖大さじ2杯程度が適切な分量です。