MACDとシグナル、ヒストグラムの3要素で構成される「MACD」の仕組みと特徴、売買サインを解説します。シンプルかつ精度の高いテクニカル指標を探している方や、移動平均線ではサインが遅く、チャンスを逃した経験のある方におすすめの指標です。
【信頼度◎】FXのMACDが順張りに最適な理由はシグナルの圧倒的速さ

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「MACDで何が判るの?」

「どうやって売買サインを読むの?」

「MACDを使った取引手法が知りたい」

 

といった悩みを持つ人は多いでしょう。

 

MACDは移動平均線を応用したテクニカル指標で、MACDとシグナルの2本線やヒストグラムとの位置関係から相場のトレンドを読みます。

 

そこでこの記事では、MACDの仕組みと売買サインの読み方を判りやすくお伝えします。

 

MACDの使い方を覚えれば相場分析の精度が上がって利益を出しやすくなるので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

 

この記事でわかること
・MACDの仕組みと特徴、計算式
・基本的な設定
・MACDを使ったトレンド判断
・売買サイン
・ダイバージェンス

 

目次

MACDとは

MACDとは

 

MACDは「Moving Average Convergence Divergence」の頭文字を取ったもので「マックディー」と呼ばれます。

 

日本語では「移動平均収束拡散」や「移動平均収束乖離(かいり)」など難しい名前ですが、使い方はシンプルで初心者でも使いやすいです。

 

1979年にジェラルド・アペル氏が考案したテクニカル指標で、移動平均線の売買サインの精度を高めるために作られました。

 

移動平均線については下記の記事で詳しく解説しています。

 

MACDはオシレータ系に分類されますが、トレンド系の要素も含むのが特徴です。

 

実勢レートの動きに対して反応が早く、売買サインが先行して出るので順張りに適した指標といえます。

MACDの仕組みと特徴

MACDの仕組みと特徴.jpg

 

MACDはチャートの下部に表示される指標です。

 

指標は次の3つの要素で構成されます。

 

①MACD
②シグナル
③ヒストグラム

 

それぞれの内容を見ていきましょう。

 

MACD

MACDの線.jpg

 

MACDは、短期と長期の指数平滑移動平均線(EMA)の差です。

 

指数平滑移動平均線は、将来のレートには古いレートよりも新しいレートの方が影響力が大きいと考え、直近のレートを重視して計算した移動平均線です。

 

単純移動平均線(SMA)だと古いレートと新しいレートを平等に扱うため、直近に値動きが起きてもサインが遅れるという弱点がありました。

 

そこでMACDは、直近のレートを重視した平均値を反映させることで、売買サインが早く出るように作られたのです。

 

シグナル

シグナル.jpg

 

シグナルはMACDの単純移動平均線(SMA)です。

 

1日分の乖離(かいり)幅のみを表すMACDに対し、シグナルは過去の一定期間から乖離幅を求めるので、より多くの投資家心理が反映されます。

 

MACDとシグナルを組み合わせて売買サインを読むことで、より精度の高い相場分析ができます。

 

ヒストグラム

ヒストグラム.jpg

 

ヒストグラムはMACDからシグナルを引いた値(乖離率)をグラフに表したものです。

 

つまり、MACDとシグナルがクロスするときヒストグラムの値はゼロになります。

 

チャートではゼロラインの上下に棒グラフで表示されます。

 

MACDよりもシグナルが大きい場合はマイナス(ゼロラインの下)、MACDよりもシグナルが小さい場合はプラス(ゼロラインの上)に伸びます。

 

ヒストグラムがマイナスからプラスに転じたら上昇トレンド、プラスからマイナスに転じたら下降トレンドのサインです。

MACDの計算式

MACDの計算式は以下の3つです。

 

【各パーツの計算式】

・MACD=短期EMA-長期EMA
・シグナル=単純移動平均線(SMA)
・ヒストグラム=MACD-シグナル

 

 

MACDはSMAではなくEMAを使います。

 

EMAの方が直近の値動きを重視した平均値を反映できるからです。

MACDの基本的な設定

日足チャートなら、MACDの期間設定12日26日シグナル9日がメジャーな組み合わせです。

 

上記の計算例もその設定に合わせています。

 

メジャーな組み合わせの方が多くのトレーダーと同じ根拠になり、予測通りの値動きになりやすいからです。

 

異なる設定にする場合は、短期と長期の値動きを分析するためにMACDの日数をずらしてくださいね。

MACDを使ったトレンド判断

MACDを使ったトレンド判断.jpg

 

MACDは、MACDとシグナルの位置関係からトレンドを判断できます。

 

ヒストグラムがゼロになるラインをゼロラインといいます。

 

MACDとシグナルがゼロラインを上に抜けた場合、上昇トレンドの継続と予測できます。

 

逆に、MACDとシグナルがゼロラインを下に抜けた場合、下降トレンドの継続のサインです。

MACDで判る売買サイン

MACDでは4つの売買サインが判ります。

 

【4つの売買サイン】

①ゴールデンクロス
②その他、買いサイン
③デッドクロス
④その他、売りサイン

 

 

それぞれの見方と使い方を詳しく見ていきましょう。

 

ゴールデンクロス

ゴールデンクロス.jpg

 

ゴールデンクロスはMACDがシグナルを下から上に抜けるポイントで、買いのサインです。

 

ゼロラインから下に離れた場所で発生したゴールデンクロスほど、その後の上昇トレンドが強いことを示します。

 

その他、買いサイン

ゴールデンクロスが出た後、さらにMACDとシグナルの両線がゼロラインを上に抜けたら強い買いサインです。

 

相場に強い下降トレンドが発生していると、ゴールデンクロスが発生してもすぐには上昇に転じずに損失が出るケースがあります。

 

その場合、ゴールデンクロスですぐに買うのではなく、MACDとシグナルがゼロラインを上に抜けてから買えば損失を避けつつ利益を狙えます。

 

デッドクロス

デッドクロス.jpg

 

デッドクロスは、MACDがシグナルを上から下に抜けるポイントで、売りのサインです。

 

ゼロラインから上に離れた場所で発生したデッドクロスほど、その後の下降トレンドが強いことを示します。

 

その他、売りサイン

デッドクロスが出た後、さらにMACDとシグナルの両線がゼロラインを下に抜けたら強い売りサインです。

 

相場に強い上昇トレンドが発生していると、デッドクロスが発生してもすぐには下落に転じずに損失が出るケースがあります。

 

その場合、デッドクロスですぐに売るのではなく、MACDとシグナルがゼロラインを下に抜けてから売れば損失を避けつつ利益を狙えます。

ダイバージェンス

ダイバージェンスは、実際のトレンドとテクニカル指標のサインが逆行する状態です。

 

ダイバージェンスが発生したら、テクニカル指標が示すサインの方向に相場が転換すると考えられています。

 

そのため、実勢レートが下落しているのに、MACDとシグナルが上昇している時は、上昇トレンドへの転換を予測して買いエントリーです。

 

逆に実勢レートが上昇しているのに、MACDとシグナルが下落している時は、下降トレンドへの転換を予測して売りエントリーしましょう。

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MACD まとめ

上記で紹介した「MACDを使ったトレンド判断と売買サインの読み方」を覚えれば、いち早くトレンド発生を察知してエントリーし、利益を伸ばせますよ。

 

最後にもう一度、内容を確認しましょう。

 

・MACDは売買サインが早く出るように移動平均線を改良したテクニカル指標
・MACDとシグナルの2本線の位置関係からトレンドを読む
・ゴールデンクロスやデッドクロス、ダイバージェンスを覚えておこう

 

MACDは計算式がややこしいため苦手意識を持たれるかもしれませんが、チャートに表せば2本線が上下するだけのシンプルな指標です。

 

ゴールデンクロスやデッドクロスなど、簡単な位置関係を覚えるだけで、移動平均線よりも早く精度の高い売買サインが判るため、ぜひ覚えておきましょう。

 

参考元