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「移動平均線ってどう使うの?」
「3種類の移動平均線の違いが知りたい」
「他のテクニカル指標と組み合わせて精度を上げたい」
といった悩みを持つ人は多いと思います。
移動平均線は、過去の一定期間のレートから平均値を計算してチャートに折れ線グラフで表したものです。
代表的なテクニカル指標のひとつで、相場のトレンドが判るのが特徴です。
移動平均線だけでも売買サインは読み取れますが、他のテクニカル指標と組み合わせれば予測の精度がアップします。
そこでこの記事では、移動平均線の仕組みと使い方、グランビルの8つの法則やボリンジャーバンドと組み合わせた手法を紹介します。
・移動平均線の種類
・移動平均線でわかる売買サイン
・その他、移動平均線の見方と使い方
・移動平均線の期間設定
・グランビルの8つの法則
・移動平均線とRSIを組み合わせた取引手法
初心者でも移動平均線を使ったシンプルな手法で利益を出せるようになるので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
移動平均線とは?
移動平均線は、過去の一定期間のレートから平均値を計算してチャートに折れ線グラフで表したものです。
代表的なテクニカル指標のひとつで、相場のトレンドを読む手がかりになります。
短期・中期・長期の3本線の傾きやチャートとの位置関係を見るため、初心者でも使いやすいのが特徴です。
移動平均線はMACDやボリンジャーバンドといった他のテクニカル指標にも応用されています。
計算式
移動平均線の計算式は以下のとおりです。
【N日移動平均線の計算式】
(直近の終値+1本前の終値+2本前の終値・・・+(N-1)本目の終値)÷N
例えば、5日移動平均線は次のような計算で構成されます。
- 当日終値128円
- 前日終値129円
- 2日前終値126円
- 3日前終値127円
- 4日前終値130円
→(128+129+126+127+130)÷5=128円
この計算を1日ずつずらして行い、チャート上で結ぶと移動平均線が描けます。
移動平均線の種類
移動平均線には3種類あります。
【3種の移動平均線】
①単純移動平均線(SMA)
②指数平滑移動平均線(EMA)
③加重移動平均線(WMA)
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
単純移動平均線(SMA)
単純移動平均線は英語でSimple Moving Average、チャート画面上では一般的にSMAと表記されてます。
単純移動平均線は過去の一定期間の終値を単純平均したレートをチャートに表したものです。
先述した計算式で構成されるのが、この単純移動平均線です。
3種類のうちもっともメジャーですが、単純移動平均線には2つの問題点があると言われています。
①単純移動平均線の計算期間内のレートしか反映されない
②計算期間内のレートの重み付けが全て同じ
それを克服するために作られたのが、次の指数平滑移動平均線と加重移動平均線です。
指数平滑移動平均線(EMA)
指数平滑移動平均線(英語:EMA=Exponentially Smoothed moving Average)は、単純移動平均線の計算に直近のレートを2回足して平均値を計算します。
例えば、5日指数平滑移動平均線は次の計算式で構成されます。
- 当日終値120円
- 前日終値121円
- 2日前終値122円
- 3日前終値123円
- 4日前終値124円
→(120+120+121+122+123+124)÷(5+1)=121.67円
直近のレートを2回足すことで、単純移動平均線よりも直近の値動きが強く反映されるため、トレンド発生のサインを早くつかめるのが特徴です。
サインを早く察知してエントリーすれば、利益をより大きく伸ばせますよ。
加重移動平均線(WMA)
加重移動平均線(英語:WMA=Weighted Moving Average)は、直近のレートほど段階的にウェイトをかけて平均値を計算します。
指数平滑移動平均線と異なり、直近のレートを2回足すことはしません。
例えば、5日加重移動平均線は次の計算式で構成されます。
- 当日終値120円
- 前日終値121円
- 2日前終値122円
- 3日前終値123円
- 4日前終値124円
→(120×5+121×4+122×3+123×2+124×1)÷(5+4+3+2+1)=121.33円
加重移動平均線が効果的に使えるのは、相場が緩やかなトレンドのときです。
そのため、レンジ相場や相場の動きが激しい場面での使用は不向きでしょう。
基本的には、単純移動平均と指数平滑移動平均線を理解しておけばOKです!
移動平均線のみでわかる売買サイン
移動平均線は代表的な2つのサインから取引のタイミングをつかみます。
【2つの売買サイン】
①ゴールデンクロス
②デッドクロス
それぞれの形と取引手法を見ていきましょう。
ゴールデンクロス
ゴールデンクロスとは、短期線が長期線を下から上に抜ける状態です。
短期線と長期線がどちらも上を向いているゴールデンクロスは上昇のサインが強いので、見つけたら買いエントリーのチャンスです。
ゴールデンクロスはチャート上昇のサインと考えるトレーダーが多く、買い注文が集まるためチャートが上昇しやすくなります。
デッドクロス
デッドクロスは、短期線が長期線を上から下に抜ける状態です。
短期線と長期線がどちらも下を向いているデッドクロスは下落のサインが強いので、見つけたら売りエントリーで利益を出すチャンスです。
デッドクロスはチャート下落のサインと考えられ、売り注文が集まるのでチャートが下落しやすくなります。
その他、移動平均線の見方と使い方
ゴールデンクロス・デッドクロス以外にも移動平均線には3つの使い方があります。
①サポートライン・レジスタンスラインに使う
②ローソク足との位置関係
③移動平均線の傾きでわかるトレンド
移動平均線で取引のチャンスを見つけやすくなるので、ぜひ覚えておきましょう。
サポートライン・レジスタンスラインに使う
ひとつ目はレジサポラインとして使う方法です。
上昇トレンドでは移動平均線がサポートライン、またはレジスタンスラインの役割につく傾向があります。
多くのトレーダーは、相場が上昇トレンドにある場合「少しでも安く買って利益を上げたい」と考え、「移動平均線近くまで価格が下がったら買う」という心理が働きます。
その結果、チャートは移動平均線に支えられる形で上昇するのです。
同様に、下降トレンドでは移動平均線がレジスタンスライン(抵抗線)の役目を担います。
ローソク足との位置関係
ローソク足と移動平均線の位置関係からトレンドを分析する方法です。
ローソク足が移動平均線の上にある時は、過去の平均よりも買われているため上昇トレンドと判断します。
逆に、ローソク足が移動平均線の下であれば、過去の平均よりも売られているため下降トレンドです。
移動平均線の傾きでわかるトレンド
移動平均線の傾きからトレンドがつかめます。
なぜなら移動平均線は、相場の平均的な方向性を示すからです。
移動平均線が上向きなら上昇トレンドで買い、下向きなら下降トレンドで売りと判断します。
横ばいの時は方向感がないレンジなので、取引は見送りましょう。
移動平均線の期間設定
移動平均線の期間設定は、5日、21日、25日、89日、200日がよく使われます。
5日は1週間、21日と25日は約1ヶ月、89日は3ヶ月~4ヶ月、200日は約1年のトレンドが判ります。
特にルールに則って日数は決められるわけでなく、過去に様々な投資家が色々試した結果この日数で落ちついたようです。
短期線と長期線の組み合わせで一般的なのは、5日と25日、25日と75日、89日と200日です。
なるべく多くのトレーダーと同じ根拠で取引して勝率を高めるために、メジャーな組み合わせを使いましょう。
トレードスタイル別おすすめ期間設定と時間足
【トレードスタイル別移動平均線の期間設定(目安)】
トレードスタイル | 移動平均線(短期) | 移動平均線(長期) | 時間足 |
スキャルピング | 5日 | 20日 | 1分〜5分 |
デイトレード | 5日〜21日 | 50日〜75日 | 5分〜1時間 |
スイングトレード 長期トレード |
5日〜21日 | 50日〜200日 | 1時間〜 |
トレードスタイルに移動平均線の期間設定を合わせるのはとても重要です。
なぜなら、それぞれの時間軸がズレていると正確な分析が行えなくなるからです。
例えば、数秒数分単位で取引するスキャルピングで、200日の移動平均線を見ても直近の動きを分析しにくいのは理解できると思います。
トレードスタイル毎の移動平均線の目安となる設定期間は、上の表で一覧化しているので参考にしてみてくださいね。
グランビルの8つの法則
グランビルの法則は、1960年代にアメリカの証券アナリスト「ジョセフ・E・グランビル」氏が考案した理論です。
移動平均線の傾きとローソク足の位置関係から売買サインを読み取る手法で、発表されて以来使われ続けている相場の基本法則です。
この法則では、売り・買いそれぞれ4つのチャートパターンからサインを読み取ります。
グランビル法則4つの買いサイン
下記4つのタイミングはチャートが上昇しやすいので、買いエントリーのチャンスです。
【4つの買いサイン】
①上向きまたは横ばいの移動平均線をローソク足が下から上に抜けた時
②上向きの移動平均線をローソク足が下に抜けた後に再度上に抜けた時
③上向きの移動平均線の近くまでローソク足が下落し、移動平均線を下に抜けずに再度上昇した時
④ローソク足が下向きの移動平均線の下に大きく乖離した時
グランビル法則4つの売りサイン
下記4つのタイミングはチャートが下落しやすいので、売りエントリーのチャンスです。
【4つの売りサイン】
⑤上昇から横ばいまたは下向きに転じた移動平均線を、ローソク足が上から下に抜けた時
⑥下向きの移動平均線をローソク足が一時的に上に抜けた時
⑦下向きの移動平均線の近くまでローソク足が上昇し、移動平均線を上に抜けずに再度下落した時
⑧ローソク足が上向きの移動平均線の上に大きく乖離した時
上記8パターンは必ずしも順番通りに発生するとは限らず、常に全てのパターンが現れるとも限らないので、あくまで目安としてくださいね。
移動平均線とボリンジャーバンドを組み合わせた取引手法
それでは、ここで移動平均線とボリンジャーバンドと組み合わせた手法を紹介します。
【ローソク足】
1時間足または4時間足
【移動平均線の設定】
- 参照期間:70
【ボリンジャーバンドの設定】
- 参照期間:「21」
- ±1~3σを表示
ローソク足は特に使い分けはせず、売買サインが出た足で取引を行いましょう。
移動平均線の向きに従ってた順張りで新規注文を行います。
つまり、移動平均線が右上がりなら買いエントリー、右下がりなら売りエントリーです。
移動平均線とボリンジャーバンドを組み合わせると、次のような状態が売買サインになります。
【買いサイン】
・ローソク足より下に移動平均線がある
かつ
・ボリンジャーバンド-2σで反発したのを確認
【売りサイン】
・ローソク足より上に移動平均線がある
かつ
・ボリンジャーバンド+2σで反発したのを確認
決済タイミングは、±3σにタッチしたら利確しましょう。
ただし、この時トレンドが強くバンドウォークが発生していたら、チャートが±1σまで反発してするのを待って決済しましょう。
また、±3σまでチャートが伸びず±2σから±1σまで反発してしまったら決済タイミングです。
【買いエントリーの決済タイミング3つ】
・+3σにタッチしたとき
・強いトレンドなら+3σから+1σまでチャートが戻ってきたとき
・+2σから+1σまで反発したとき
【売りエントリーの決済タイミング3つ】
・-3σにタッチしたとき
・強いトレンドなら-3σから-1σまでチャートが戻ってきたとき
・-2σから-1σまで反発したとき
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まとめ
上記で紹介した移動平均線の手法の中から自分に合うものを実践すれば、FXで利益を出しやすくなります。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
・移動平均線は過去の一定期間のレートから平均値を計算してチャートに表示したもの
・ゴールデンクロス・デッドクロスのほか、ローソク足との位置関係でトレンドが判る
・他のテクニカル指標のサインと組み合わせれば予測の精度がアップする
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多くのトレーダーと同じ根拠で取引すれば予測通りの値動きになりやすいので、知っていて損はない指標です。
かといって全ての手法を覚えようとするとかえって混乱するので、自分が使いやすいパターンに絞るといいですよ。
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