住宅ローン返済世帯…平均1,793万円の借金
総務省『家計調査 貯蓄・負債編』(2021年)によると、二人以上世帯のうち勤労者世帯において、「負債あり」は53.4%。負債現在高の平均値は856万円でした。
負債世帯主の割合は、40歳未満で59.2%、そして40代でピークを迎え63.7%、50代で52.6%。多くが定年や引退を迎える60代では28.0%と推移していきます。
また負債保有世帯について、年齢別に貯蓄現在高と負債現在高をみていくと、負債超過額が最も多いのは40歳未満で、その額1,611万円。一方で50代で貯蓄額が負債額を上回るようになり、多くが「家計は黒字」に転換するようです。
【負債世帯…年齢別「貯蓄・負債現在高」】
~30代:697万円/2,308万円
40代:973万円/1,840万円
50代:1,428万円/1,314万円
60代:1,781万円/732万円
出所:総務省『家計調査 貯蓄・負債編』(2021年)より
負債の9割以上が住宅や土地にまつわるもの。そのほとんどが、マイホーム購入の際のローンによるものだと考えられます。
同調査では、持ち家率は78.7%(平均年齢51.2歳)。住宅ローン返済世帯は全体の40.7%(平均年齢46.5歳)で、負債現在高は1,793万円、貯蓄現在高は1,057万円と、700万円近く負債超過となっています。
一方、持ち家ですがローン返済のない世帯は全体の38.0%(平均年齢56.2歳)で、貯蓄額は2,101万円、負債額は259万円で、住宅ローンがなければ2,000万円近い余裕があることがわかります。
また住宅や土地のための負債は、2016年に平均1,277万円、40歳未満で1,800万円だったのが、2021年には平均1,359万円、40歳未満で2,183万円でした。この5年で全体では100万円ほど、40歳未満で300万円ほど増えています。超低金利により、より多くのローンを活用してマイホーム購入を検討するようになった、という事情のほかに、昨今の不動産価格高騰の影響も考えられます。