一般の会社員まで購入層が拡大しているタワーマンション。堅実な返済プランで、年金生活に入る前にローンも完済。悠々自適なタワマン生活が待っていると思いきや、想定外の事態に陥るケースも。みていきましょう。
年収800万円「幸せ家族が叶えたタワマン生活」だったが…定年後に直面する「悲惨な年金生活」

駅近・3LDK・中古のタワマンを9,000万円で購入…返済プランは?

実際に収入がどれほどあれば、都心周辺のタワマンをかえるものなのでしょうか。

 

たとえば、タワマンが林立する、東京都江東区「豊洲」駅徒歩5分圏内の中古のタワマン。その15階・3LDK・9,000万円の部屋の購入を検討するとします。

 

頭金の平均金額は3割ほどなので、およそ6,300万円の借入を以下の条件で行うとします。

 

  • 借入金額:6,300万円
  • 返済方式:元利均等
  • 金利:当初5年0.6%、以降1%

 

利息分は968万1,488円。返済総額は7,268万1,488円。月々の返済は、当初5年は19万1,265円、5年目以降は20万2,260円となります。

 

年収に占めるローン返済額の割合である返済負担額は20%程度がボリュームゾーンで、35%が上限といわれています。

 

返済負担率20%であれば年収1,200万円、25%であれば年収960万円、30%であれば年収800万円、上限の35%であれば年収685万円の会社員でタワマンが叶うということになります。

 

厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマン上位25%の推定年収をみていくと、40代後半で年収800万円。普通の会社員よりは上の水準、かつ中古マンションではありますが、会社員でも東京都心近くのタワマンは検討できるようです。

 

【年齢別大卒サラリーマン上位25%の推定年収】

  • 20~24歳:377.15万円
  • 25~29歳:441.41万円
  • 30~34歳:528.62万円
  • 35~39歳:623.63万円
  • 40~44歳:722.16万円
  • 45~49歳:808.91万円
  • 50~54歳:932.84万円
  • 55~59歳:938.96万円
  • 60~64歳:777.39万円

 

厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』

 

さらに定期的に繰り上げ返済を行い、年金生活がスタートする前にローンを完済。老後はタワマンの利便性を思いきり享受する生活を送る……そんなことを考えたとしましょう。タワマン生活を続ける厳しさは、もしかしたら収入が年金だけになったときに感じるかもしれません。