「健康のため」のはずが歩行困難に…ランニングでのケガを防ぐ「たった1分」の予防法【専門医が解説】

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「健康のため」のはずが歩行困難に…ランニングでのケガを防ぐ「たった1分」の予防法【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

健康のためにランニングを始めたら、走っている最中急に膝が痛くなった……ランナーにとって、このような経験はけっして珍しいものではありません。しかし、場合によっては歩行困難になってしまうリスクもあると、世田谷人工関節・脊椎クリニックの塗山正宏先生はいいます。本記事では、こうした「ランナー膝」の対処法と予防法について解説します。

走ると急激に膝が痛む「ランナー膝」の原因

走っているときなど、膝の外側が急激に痛くなる、いわゆる「ランナー膝」……特に、長距離を走ったあとなどに起こりやすいスポーツ障害で、プロのマラソン選手だけでなく、一般の人たちのあいだでも決して珍しい症状ではありません。一体、なぜ起こるのでしょうか。
 

正式名称は「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」

ランナー膝とは通称で、正式には「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」といいます。「腸脛靭帯」とは、太ももの外側に走っている靭帯のこと。[図表1]のように、腸脛靭帯は腸骨(=骨盤の骨)から始まって、脛骨(=すねの骨)に付着している、大きな組織です。

[図表1]腸脛靭帯

人間が走っているとき、膝は伸展と屈曲を繰り返します。そのたびに腸脛靭帯と、大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか=膝の外側上方にある骨のでっぱり)が擦れ、摩擦が生じます。そのため、接触面が炎症を起こし、膝の外側にズキズキとした痛みを生じさせてしまうのです。これが、「ランナー膝」が起こるメカニズムです。

 

「ランナー膝」は、ランニング初心者や長距離ランナーに多い

ランナー膝が起きやすいのは、次のような人たちです。

 

・陸上競技をしている人。特に長距離ランナー、マラソンランナー
・ランニング初心者
・脚の筋力が弱い人
・過度な練習をしている人
・O脚などで膝の外側に負担がかかりやすい人

 

「ランナー膝」の初期は、運動中や運動後に痛みを感じます。特に膝を踏み込んだとき、膝の外側にいやな痛みを感じることが多いでしょう。初期では走っているあいだだけ痛みが現れ、安静にしていると痛みが消えますが、症状が悪化すると、歩行時や安静時にも膝の外側に痛みを感じるようになります。

 

「ランナー膝かもしれない」と思ったら、次の項目をチェックしてみましょう。ひとつでも当てはまったら、ランナー膝の疑いがあります。

 

・運動中や運動後、膝の外側に痛みを感じる
・主に下り坂を走るときに、痛みが強くなる
・久しぶりにマラソンを始めたら、膝の痛みが出るようになった
・ある程度の距離を走ると、痛みが出る
・特に、脚を伸ばすときに膝の外側に痛みを感じる

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。