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2000年代から一気に増加…いわゆる「タワマン」とは
「タワーマンション」自体に明確な定義づけがされているわけではありませんが、建築基準法によると、「建物の高さが60mを超える建築物」がタワー(超高層)と定義されており、具体的に何階建てかは記載されていませんが、マンションの各階の高さは3m前後なので、おおよそ20階以上のマンションがタワマンの目安となります。
また、タワーマンションの第1号は、1976年に住友不動産が埼玉県与野市(現さいたま市)に建設した「与野ハウス」(21階建て)だといわれています。
初期のタワーマンションは、都市計画上の規制により、広大な敷地を要しました。そのために地価の安い郊外や、河川沿いに建設され、数も多くはありませんでした。
流れが変わったのは、1997年。バブル経済崩壊後の不良債権処理が不動産・建設業界にのしかかるころでした。国が「高層住居誘導地区」を導入し、東京湾岸エリアの工場や倉庫、貨物ヤードなどの跡地にタワーマンションが建てられます。
2000年代に入ると、「都市再生」「都心回帰」を合言葉に駅前地区の「市街地再開発」に拍車がかかりました。バブルのツケ払いが超高層建設に託され、首都圏から近畿圏、地方中核都市へと波及します。2008年9月のリーマン・ショックで供給量は減り、2011年の東日本大震災で落ち込みますが、2020年の東京五輪をメルクマールとして増加に転じました。
不動産研究所の『超高層マンション動向2021』によると、全国で建設・計画されている超高層マンション(20階建て以上)は約11万戸と、前年と比べて77棟、2万5,306戸も増加しています。
このように、年々増え続けるタワマン……いったい誰が買っているのでしょうか。三菱地所の調査によると、都心・湾岸では30~40代の2人世代が多いようです。このことから、高所得会社員のなかでも特に、夫婦ともに年収1,000万円以上で消費意欲が高い「パワーカップル」が購入していると考えられます。