新型コロナPCR検査の「過剰なブーム」…2022年から一気に衰退したワケ【医師が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルスの蔓延によって生じたPCR検査ブームによって、医療機関は莫大な報酬を得ていました。しかし、現在PCR検査のニーズはなくなりつつあると、高座渋谷つばさクリニックの武井院長はいいます。新規感染者が高止まりするなか、ニーズがなくなっているのはなぜか……みていきましょう。

過剰なPCR検査ブームと医療機関へのメリット

新型コロナウイルスが国内で確認され、緊急事態宣言が発令された2020年4月以降、発熱患者の診療を拒否する傾向が強まりました。その対策として、厚生労働省は政策誘導として、新型コロナウイルスPCR検査を実施する医療機関に対しての都道府県レベルを含めた高額な補助金支給や、高額なPCR検査費用を保険算定と認め、患者負担がない公費負担としました。

 

この結果として、PCR検査は医療機関の収益を上げる「棚から牡丹餅」「打ち出の小槌」という位置づけとなり、真摯に患者に向かい合う「本来あるべき医師像や医師としての魂」を捨ててでも、PCR検査に特化した医療機関が増加しました。

 

その理由として、PCR検査を検査会社に外注した場合の診療報酬は、検査に対して18,500円と検査判断料としての1,950円の合計約2万円に加え、初診料・再診料やコロナ感染対策の加算が算定され、検査会社に支払う検査委託料を差し引いても相当な収益となります。

 

2020年5月の時点では、新型コロナウイルスは季節変動・重症化要因が判明していないため、PCR検査が有症状・無症状にかかわらず感染者の早期発見・隔離することに意義が高まり、「希望するすべての国民は誰でも検査」というフレーズも、インターネットやテレビでも見かけました。

 

この反面、「疑わしい要素が特段にない人まで検査する」という流れもあり、企業などのさまざまな団体や、海外渡航予定者では、全額患者負担の自費で「陰性証明」を発行するブームも加わりました。

 

この結果、PCR検査が過剰なブームとなりPCR検査実施する医療機関や検査会社には収益の観点からは大きなメリットがありました。

 

高座渋谷つばさクリニック 院長

小児科医・内科医・アレルギー科医。2002年、慶応義塾大学医学部卒業。多くの病院・クリニックで小児科医・内科としての経験を積み、現在は高座渋谷つばさクリニック院長を務める。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として地域医療に貢献している。

著者紹介

連載現役医師が解説!様々な「カラダの不調」への対処法

※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。

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