過剰なPCR検査ブームと医療機関へのメリット
新型コロナウイルスが国内で確認され、緊急事態宣言が発令された2020年4月以降、発熱患者の診療を拒否する傾向が強まりました。その対策として、厚生労働省は政策誘導として、新型コロナウイルスPCR検査を実施する医療機関に対しての都道府県レベルを含めた高額な補助金支給や、高額なPCR検査費用を保険算定と認め、患者負担がない公費負担としました。
この結果として、PCR検査は医療機関の収益を上げる「棚から牡丹餅」「打ち出の小槌」という位置づけとなり、真摯に患者に向かい合う「本来あるべき医師像や医師としての魂」を捨ててでも、PCR検査に特化した医療機関が増加しました。
その理由として、PCR検査を検査会社に外注した場合の診療報酬は、検査に対して18,500円と検査判断料としての1,950円の合計約2万円に加え、初診料・再診料やコロナ感染対策の加算が算定され、検査会社に支払う検査委託料を差し引いても相当な収益となります。
2020年5月の時点では、新型コロナウイルスは季節変動・重症化要因が判明していないため、PCR検査が有症状・無症状にかかわらず感染者の早期発見・隔離することに意義が高まり、「希望するすべての国民は誰でも検査」というフレーズも、インターネットやテレビでも見かけました。
この反面、「疑わしい要素が特段にない人まで検査する」という流れもあり、企業などのさまざまな団体や、海外渡航予定者では、全額患者負担の自費で「陰性証明」を発行するブームも加わりました。
この結果、PCR検査が過剰なブームとなりPCR検査実施する医療機関や検査会社には収益の観点からは大きなメリットがありました。