非正規社員と正社員の給与差…手取りで10万円
望んで非正規社員を選ぶ人、望んではいないが非正規社員でいる人、事情はそれぞれ。ただ後者の場合、やはり正社員と非正規社員との給与差から、なんとか正社員になりたいと考えることでしょう。
厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、非正規社員の平均月収は23万2,000円、手取りではおよそ18万円ほど。また賞与含めた推定年収はおよそ300万円です。
一方正社員の平均月収は35万3,000円で、手取りにすると27万円ほど。推定年収は522万円ほどになります。
正社員と非正規社員の間には、手取りでおよそ10万円、年収で200万円以上の給与差が生じています。
――正社員でなくても年収300万円もあるんだ
そう考える人もいるかもしれませんが、これは前述のように、たとえば定年退職を迎えたのち、契約や嘱託として再雇用されている人たちも含むもの。また自由を望み、あえて正社員にならず、それでも高給を実現している……そんな非正規社員も含むので、平均値は実情よりも高くなっていると推測されます。
同調査で非正規社員の給与分布をみていくと、中央値は19万5,600円。手取りにすると15万円程度です。平均値よりも随分と手取り額が低くなりましたが、これが実際に近いイメージだと考えらます。一方で月収60万円以上という「高給取り非正規社員」が0.9%。非正規社員の100人に1人は、正社員含めても、まさに勝ち組と呼ばれる給与水準です。
さらに「仕方なく非正規社員」という人が多いだろう、男性・大卒についてみていくと、中央値は24万5,500円。非正規社員、全体の中央値よりも5万円ほど高くなっています。非正規社員でも学歴による優位性はあるようです。また月収60万円以上の高給取り非正規社員は4.54%と、全体平均の4倍もいます。一方で全体の中央値にも満たない人たちは26%ほどと、4人に1人以上もいます。
大学を出たのに関わらず「手取り15万円」程度という、大卒男性。「正社員になりたい……」、そんな切実なボヤキが聞こえてきそうです。