いわゆる手取りとイコールの「可処分所得」。この金額が多いほど消費に使えるということになり、経済が活発であることの裏返しともいうことができます。各世帯における可処分所得を、都道府県別にみていきましょう。
都道府県「可処分所得(手取り収入)」ランキング…東京と長崎の恐ろしい格差

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可処分所得…47都道府県別に比べてみると

給与からこんなに引かれるんだ!

 

そう驚いたことがある人は多いでしょう。会社員であれば、給与から引かれるのはまず保険。医療機関にかかった際に医療費負担を軽減するための健康保険、いわゆる年金である厚生年金保険、失業した際などに給付される雇用保険、さらに満40歳を超えていれば介護保険が引かれます。

 

そして税金。所得に応じて国に納める所得税と、住民票のある市区町村や都道府県に納める住民税。

 

そのほか会社によっては、積立金や組合費、財形貯蓄など天引きされることも。独身の場合、額面30万円であれば、約7万円が引かれます。給与のおよそ2割強。それが額面100万円の場合は4割弱が天引きで引かれるわけですから、給与が増えれば増えるほど、前述のような悲鳴は大きくなっていくといえるでしょう。

 

【額面給与別手取り額】

20万円→15.6万円

22万円→17.2万円

24万円→18.6万円

26万円→20.1万円

28万円→21.5万円

30万円→22.9万円

35万円→26.4万円

40万円→29.9万円

45万円→32.9万円

50万円→35.9万円

60万円→41.7万円

70万円→47.3万円

80万円→52.7万円

90万円→57.4万円

100万円→62.0万円

※単身者の場合

※上記は単純計算によるものであり、実際とは異なることに留意が必要

 

この「税込み収入」から「税金や社会保険料などの非消費支出」を引い手残ったものが可処分所得。この金額が多ければ多いほど、実際の消費にお金が使えるということ。どんなに給与が高くても、可処分所得が低ければ、豊かな生活は送ることはできないといえるでしょう。

 

総務省『家計調査』(2021年)によると、勤労世帯(世帯主50.1歳、世帯人数3.28人)の可処分所得は、全国平均49万2,681円(世帯主50.1歳、世帯人数3.28人)。最も可処分所得の多いのは「東京都」で59万8,305円。「埼玉県」「富山県」「石川県」「岐阜県」と続きます。一方で最も少ないのは「長崎県」で40万4,767円。「沖縄県」「宮城県」「和歌山県」「鹿児島県」と続きます。

 

【都道府県「可処分所得」ランキング】

1位「東京都」598,305円
2位「埼玉県」592,862円 
3位「富山県」571,911円 
4位「石川県」559,487円 
5位「岐阜県」549,728円 

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43位「鹿児島県」440,941円 
44位「和歌山県」435,761円 
45位「宮城県」433,631円 
46位「沖縄県」411,589円 
47位「長崎県」404,767円 

 

出所:総務省『家計調査』(2021年)より二人以上の勤労世帯
※調査は県庁所在地等都市単位で行われており、便宜上、都道府県としている

 

1位と47位で約20万円ほどの差。地域によって物価やライフスタイルも違うので一概にいえませんが、単純に金額だけみてしまえば、上位の地域ほど豊かな生活を送れているということができます。