通勤や通学の足として、利用している人も多い鉄道。首都圏大手私鉄9社38路線について、総旅客数や収益力について、国土交通省『鉄道統計年報』から紐解いていきます。
東京私鉄「稼ぐ路線」ランキング…総合1位は「小田急線」、キロ当たりは「銀座線」

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首都圏大手私鉄9社…旅客数が最も多い路線は?

 

JRや私鉄各社の春のダイヤ改正。コロナ禍で利用客が減少するなか、各社時勢に合わせた改正を行っています。

 

たとえば京王電鉄では準特急が廃止され特急に名称統合。特急の停車駅として「笹塚」と「千歳烏山」が追加になりました。小田急電鉄では、急行が平日も終日「経堂」に停車するように。運転本数は、各社、日中時間帯を中心に減便の方向で、コロナ禍に対応したものになっています。

 

確かにコロナ禍で利用頻度は下がった人も多いでしょうが、鉄道は私たちの暮らしにはなくてはならないもの。特に車移動よりも鉄道移動が多い首都圏の人にとってはなおさらです。

 

国土交通省『鉄道統計年報』によると、首都圏私鉄大手で輸送人員が最も多いのは「東京地下鉄」で1年で27.6億人もの人を運んでいます。「東京急行電鉄」で年間11.6億人、「東武鉄道」が9.2億人、「小田急電鉄」が7.6億人と続きます。

 

【首都圏大手私鉄「輸送人員」】

1位「東京地下鉄」2,765,003千人

2位「東京急行電鉄」1,166,034千人

3位「東武鉄道」920,975千人

4位「小田急電鉄」765,327千人

5位「西武鉄道」661,989千人

 

出所:国土交通省『鉄道統計年報』より

 

路線ごとにみていくと、最も利用人数が多いのは「小田急小田原線・江ノ島線」で年間7.5億人強。「京王電鉄京王線」「東京メトロ東西線」5.2億人、「東京メトロ丸ノ内線」5.1億人、「東京メトロ千代田線」4.8億人と続きます。

 

【首都圏大手私鉄路線「輸送人員」】

1位「小田急電鉄小田原線・江ノ島線」753,493千人

2位「京王電鉄京王線」529,217千人

3位「東京地下鉄東西線」526,875千人

4位「東京地下鉄丸ノ内線」511,786千人

5位「東京地下鉄千代田線」484,225千人

6位「東京急行電鉄田園都市線」467,405千人

7位「東京急行電鉄東横線」450,781千人

8位「京浜急行電鉄本線」448,039千人

9位「東京地下鉄日比谷線」444,175千人

10位「東京地下鉄有楽町線」426,727千人

 

出所:国土交通省『鉄道統計年報』より

 

また営業距離数が長い「小田急線」が最も人を運ぶ路線ではありますが、平均輸送キロ数(=1人当たりの平均乗車距離数)をみていくと、「京成電鉄成田空港線」が上回り、37.7キロ。「成田空港に行く」という目的の人が多く、乗車距離が長くなる傾向にあるようです。

 

【首都圏大手私鉄路線「平均輸送キロ」】

1位「京成電鉄成田空港線」37.7キロ

2位「小田急電鉄小田原線・江ノ島線」15.2キロ

3位「東武鉄道東上本線」13.6キロ

4位「京浜急行電鉄本線」12.9キロ

5位「京王電鉄京王線」12.8キロ

6位「西武鉄道新宿線」12.8キロ

7位「東武鉄道伊勢崎線」12.2キロ

8位「西武鉄道池袋線」11.6キロ

9位「東京急行電鉄田園都市線」10.0キロ

10位「京成電鉄成田線」9.8キロ

 

出所:国土交通省『鉄道統計年報』より