通勤や通学の足として、利用している人も多い鉄道。首都圏大手私鉄9社38路線について、総旅客数や収益力について、国土交通省『鉄道統計年報』から紐解いていきます。
東京私鉄「稼ぐ路線」ランキング…総合1位は「小田急線」、キロ当たりは「銀座線」

首都圏大手私鉄9社…収益力が高い路線は?

 

続いて、旅客運輸収入をみていきましょう。

 

最も稼いでいる路線は利用人数トップの「小田急電鉄小田原線」で年間1,142億円。「東武鉄道伊勢崎線」887億円、「京浜急行電鉄本線」653億円、「京王電鉄京王線」639億円と続きます。

 

【首都圏大手私鉄路線「旅客運輸収入」】

1位「小田急電鉄小田原線」114,265,447千円

2位「東武鉄道伊勢崎線」88,736,806千円

3位「京浜急行電鉄本線」65,393,117千円

4位「京王電鉄京王線」63,939,440千円

5位「東武鉄道東上本線」57,502,021千円

6位「東京地下鉄東西線」55,546,425千円

7位「東京急行電鉄田園都市線」53,214,170千円

8位「西武鉄道池袋線」51,812,317千円

9位「東京急行電鉄東横線」50,074,449千円

10位「東京地下鉄丸ノ内線」47,940,005千円

 

出所:国土交通省『鉄道統計年報』より

 

旅客数では都心を走る東京メトロの路線が上位を占めていましたが、旅客運輸収入では、営業距離が長く、また有料特急などがあるような路線が上位を占める傾向にあります。

 

ただ1キロ当たりの収益力となると、また様相が変わってきます。トップは「東京メトロ銀座線」。「東京メトロ日比谷線」「東急東横線」「東京メトロ半蔵門線」「東京地下鉄千代田線」と続きます。

 

【首都圏大手私鉄路線「キロ当たりの収益」】

1位「東京地下鉄銀座線」2,487,322円/km

2位「東京地下鉄日比谷線」2,112,880円/km

3位「東京急行電鉄東横線」2,069,192円/km

4位「東京地下鉄半蔵門線」2,041,024円/km

5位「東京地下鉄千代田線」1,990,677円/km

6位「東京地下鉄東西線」1,803,455円/km

7位「東京地下鉄丸ノ内線」1,749,635円/km

8位「東京地下鉄副都心線」1,721,238円/km

9位「東京急行電鉄田園都市線」1,689,339円/km

10位「東京地下鉄有楽町線」1,496,993円/km

 

出所:国土交通省『鉄道統計年報』より算出

 

「東京メトロ」と「東急電鉄」。都心を走る路線のほか、いわゆる“人気路線”が上位を占める傾向にあります。住まいや投資を考える際、「稼げる路線」という視点で考えるのも、面白いかもしれません。