いまや国民病といわれる「花粉症」。今年は特にスギ花粉の飛散量が多いといわれ、毎日苦しい思いをしている人も多いことでしょう。そんな花粉症で悩む患者について、都道府県別にみていきます。
都道府県「花粉症」ランキング…花粉が少ないといわれる「北海道」の意外な順位

「花粉症患者」はどれくらいいる?都道府県別にみていくと

厚生労働省が3年ごとに行っている大規模調査『国民生活基礎調査』では、「アレルギー鼻炎」での通院患者の状況を都道府県ごとに明らかにしています。アレルギー鼻炎の多くが花粉症であることから、その結果を参考にしてみましょう。

 

総人口当たりの患者率(通院率)は全国平均2.31%。そのようななか、最も患者率が高いのは「熊本県」で2.82%。「岐阜県」「北海道」「奈良県」「愛知県」と続きます。一方で患者率が最も低いのは「宮崎県」で1.31%。「沖縄県」「鹿児島県」「富山県」「鳥取県」と続きます。

 

スギの北限は北海道の南、渡島・檜山地方といわれているため、北海道ではスギ花粉で悩んでいる人はほんのわずか。その代わり、最近都市部で増えているのがシラカバによる花粉症。スギ花粉より少し遅れて花粉が飛散します。「北海道では花粉症はない」という人がいますが、確かにかつてはそうだったかもしれません。しかし最近では北海道でも花粉症に悩む人が増加傾向にあるようです。

 

なお「国民生活基礎調査」の結果は、花粉症ではなくアレルギー性鼻炎の患者であること、また現在、通院しているかどうかを尋ねているので、薬など自身で内服して対処している人などは含まれないことなど留意しなければなりません。ただ傾向として国民病といわれる花粉症ですが地域差は大きいことが伺えるでしょう。

 

花粉症による経済損失は1日あたり約2,215億円という研究者も。この苦しい時期を、なんとか乗り越えたいものです。