コロナワクチン「3回目接種」は必要か?抗体検査の結果から考える【現場の医師が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

コロナワクチンの3回目接種が推し進められる中、副反応への不安などから接種に前向きになれない人もいるでしょう。そこで、新型コロナの抗体検査およびワクチン接種に携わる現場の医師・小橋友理江氏が、2021年12月に福島県で行った抗体検査の結果速報を紹介します。ワクチン接種の有効性について改めて考えていきましょう。

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2021年12月「新型コロナ抗体検査」の結果速報

新型コロナの第6波の勢いが止まらない。新規感染者についてはピークアウトしたと言われているものの、原稿を書いている2月終わりの時点では死亡者・重傷者についてはまだ増加が続いている。この事態は、予測することはできなかったのか。自分や家族、親しい人の身を守るにはどのような判断が求められているのか。今からお示しする2021年12月の、福島県の平田村、相馬市、南相馬市の新型コロナの抗体検査の結果速報をふまえ、一緒に考えていただけると幸いである。

 

福島県立医科大学が主幹施設として、継時的な新型コロナの抗体検査が福島県で行われている。医療法人誠励会、相馬市、南相馬市、平田村からのべ2,500人以上が参加してくださっている。全5回の予定の検査のうち、2回目の検査が12月に行われた。検査結果のうち、新型コロナウイルスからの防御に一番関係すると言われている、「中和活性」の結果について、さっそくお示ししたい。

 

▲平田村でのワクチン接種と抗体検査。多くの方に多大なご協力をいただいております。
▲平田村でのワクチン接種と抗体検査。多くの方に多大なご協力をいただいております。

 

■昨年12月時点で、80歳以上の約1/4は「中和活性の値ほぼナシ」

「中和活性」は、体が新型コロナに対する免疫力を持っているかどうかを知る目安となる値である。この検査の値には、新型コロナに実際に感染するかワクチン接種をするかして、その個人が新型コロナに対する免疫が「ある」のか「ない」のかの境となる値が存在する。これをカットオフ値という。今回の検査では、このカットオフ値は10AU/mlである。なお、カットオフ値以上であったからといって、感染や重症化を防げるわけではない。どのくらい抗体の値や中和活性があれば感染や重症化を防ぐことができるかは、世界的にまだわかっていない。これについては、個人の要因や、変異株など様々なことを考慮しなければならず、非常に難しい問題なのである。

 

前置きが長くなったが、実際に年齢別に見たときに、どの年代でどれだけ、中和活性が「ない」区分に当てはまる人がいるのかを見てみよう(図表1)。80代以上では、1/4の参加者が中和活性の値が「ない」区分であった。この数字は、9月のときに比べて約2倍である。70代においても、8%の方が中和活性の値が「ない」区分であった。その一方で、40-70代においては約3-4%の方が中和活性の値がない区分に位置し、それ以下の年代では、1%未満という結果になった。

 

[図表1]年代別 中和活性カットオフ値が「10以下の人」の割合(のべ2,309人)

 

■抗体が「カットオフ値以上」でも感染は防げない…目安となる中和活性「100」*以下の人の割合は?

(*あくまで筆者個人の見解であって、いかなる組織、団体の公式見解ではありません。科学的に証明されているわけではありません。)

 

カットオフ値以上であっても、感染は防げない。事実、中和活性が100程度であっても、ブレイクスルー感染は確認されている(ただしこれらの情報は、デルタ株を基に示されているので、オミクロン株ではデルタ株より高い抗体価が感染防御に必要と予想される点に注意が必要である)。目安として、中和活性が100以下の方の割合を示してみた(図表2)。30代以上では、ほとんどの方が12月の時点で、中和活性が100以下であった。今回参加してくれた方々については、わりと若い方であっても、ブレイクスルー感染の心配があるということだ。

 

[図表2]年代別 中和活性が「100以下の人」の割合(のべ2,309人)

 

■2回目接種から6ヵ月程度で「中和活性が低い人」の割合は急増?

2回目ワクチン接種からの経過日数と、中和活性の関係も見てみよう(図表3)。中和活性が「ほぼない」の区分に位置した方の割合は、高齢者が集中する6ヵ月で一番多くなった。

 

[図表3]ワクチン接種後の経過日数別 中和活性が「カットオフ値10以下の人」の割合(のべ2,309人)

 

デルタ株に対するブレイクスルー感染が発生しだす目安としてここで取り上げた、中和活性100以下の区分に位置する方々は、2回目のワクチン接種から6ヵ月ごろから急増した(図表4)。このデータを見る限りでは、ブースター接種を受けるのに8ヵ月間も待つ必要はなさそうだ。

 

[図表4]ワクチン接種後の経過日数別 中和活性が「100以下の人」の割合(のべ2,309人)

3回目接種は感染リスクを減らす第一の選択肢

最後に、筆者の3回目接種後の中和活性についてもお示ししたい(図表5)。筆者の中和活性は、3回目接種を行った日から、3日目くらいを境に急増し、接種1週間後には高い値に達した。筆者が3回目接種を行ったのは12月のはじめなので、これだけ中和活性が高かったからといって、今オミクロン株に感染しないとは思っていない。もちろん毎日注意して生活している。

 

[図表5] 筆者の3回目接種後の中和活性

 

皆様は3回目接種を受けたほうが良いと思われるだろうか、それとも思われないだろうか。3回目接種を行ったとしても、100%防げるわけではない。ただ、少なくとも危険性は減らすことができるだろう。有効な手立てがワクチン以外ない現在、自分のため、周りの人のために、3回目接種について前向きに考えてほしい。ただもちろん、ワクチン接種は負の側面もある。皆様がオミクロン株に対する感染対策を考える上で、上記の情報が少しでも役に立つなら、福島ワクチンコミュニテイー調査(FVCS)に関わる者一同、光栄である。

 

 

小橋 友理江

ひらた中央病院 非常勤医師

福島県立医科大学放射線健康管理学講座博士課程

麻酔科医・内科医

 

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ひらた中央病院 非常勤医師
福島県立医科大学博士課程(放射線健康管理学講座) 麻酔科医・内科医

2014年、和歌山県立医科大学 医学部卒業。麻酔科医・内科医。公衆衛生学修士。越谷市立病院で初期研修、東京都立多摩総合医療センターで後期研修(麻酔)。2018年帝京大学公衆衛生学大学院修士課程。2019年より福島県立医科大学博士課程(放射線健康管理学講座)。サンライズジャパンホスピタル(カンボジア)での勤務などを経て、2020年より、ひらた中央病院の非常勤医師として診療や発熱外来、ワクチン接種などに携わりながら、新型コロナの抗体検査に携わっている。

著者紹介

連載現役医師が解説!様々な「カラダの不調」への対処法

※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。

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