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ときには医師も間違える…正しい「腰痛」の対処法
ミドル・シニア世代のみならず、デスクワークなどで若い世代にも身近な体の不調である「腰痛」。インターネットの普及もあり、世間には「腰痛」に関するさまざまな説が存在します。
しかし、世間では「当たり前」とされていても、医師の視点から見た場合「間違い」である情報があります。また、ときには医師も誤って指導している場合があるため、以下では腰痛に関する「6つの誤解」を検証、解明していきます。
誤解1.腰が悪い人は重いものを持ってはいけない
腰痛患者さんに「重いものは持たないほうがいいですよね?」とよく聞かれます。それに対して医師も「無理して重いものを持たないほうがいいですね」と指導することが多いかと思います。
患者さんはそれを「やっぱり腰が痛いうちは重いものを持ってはいけないのだ」と少し誤って納得してしまうのです。実は「持ってはいけない」のではなく、「無理をしてはいけない」だけなのです。
実際に、重いものとは何㎏以上と具体的な数値などあるはずもなく、人によって異なります。
もしも重いものを持つことに不安があるなら、軽いものから始めて、徐々に重量を増して慣らしていけばよいと思います。
重いものを持たない・持てないと逃げるのでなく、持てるような体を徐々に作っていただきたいものです。また、なるべく体に密着させて持ち上げると、重心の移動がないので、同じ重さでも軽く感じられます。
誤解2.腰が悪い人は体をそらしたり、ひねってはいけない
これも多くの方が誤解しています。トイレで用をたしてお尻を拭くときには、体をそらしたり、ひねったりしませんか。自転車に乗る時にも、少しはひねらないと乗れませんね。
したがって厳密な意味では、多少は腰をそらしたり、ひねったりしない限り、日常生活はできないのです。
そうなると、「重いもの」の場合とまったく同じで、徐々に慣らして行き、そらしたり、ひねったりが無理なくできるようにするべきだと思います。
「そらしたり、ひねってはいけない」と指導する医師もいますが、あくまでも「無理せず行う」「適度に行う」ということが大切で、「〜しない」というのは誤りです。