働く意思はあり、就職活動をしているのにも関わらず、仕事のない「完全失業者」。彼らの傾向をみていくと、「失われた世代」の実情が浮かび上がってきました。みていきましょう。
条件なんてどうでもいい!それでも仕事がない「ロスジェネ世代」を待ち受ける老後の悲惨

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完全失業者…日本に193万人

15歳以上の働く意欲のある人のうち、求職活動をしている無職の人である「完全失業者」。総務省『労働力調査』によると、2021年の完全失業者は193万人。そのうち男性は116万人、女性は77万人でした。

 

完全失業率の推移をみてみると、不良債権問題、ITバブル崩壊と続いた2001年~2003年に、5.0%~5.4%~5.3%と推移。またリーマンショックが世界を襲った、2009年~2010年にも5.1%~5.1%と続いたものの、日本は世界の中でも低失業率で知られている国として知られています。

 

年齢別にみていくと、最も多いのが「25~34歳」で22.3%。「45~54歳」が20.2%、「35~44歳」が17.1%と続きます。

 

【年齢階級別「完全失業者」の割合】

15~24歳:14.0%

25~34歳:22.3%

35~44歳:17.6%

45~54歳:20.2%

55~64歳:17.1%

65歳以上:9.3%

 

また「単身世帯」は36万世帯。「二人以上世帯」は157万世帯で、そのうち世帯主は16万人。その半数が「55~64歳」で、65歳以上が18%。一方、一家の大黒柱であり、働き盛りの「35~54歳」が25%を占めています。

 

また完全失業者193万人のうち、会社都合で仕事を失った人が20.2%、収入を得る必要が生じたため新たに求職活動を始めた人が14.0%いました。

 

仕事を求めるまで、どのようなことがあったかは人それぞれですが、仕事になかなか付けない理由として最も多いのが、「希望する種類・内容の仕事がない」で31.6%。「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」が11.9%、「勤務時間・休日などが希望とあわない」が9.8%と続きます。

 

――条件なんてどうでもいい!でも仕事がない……

 

そんな切羽詰まった人が14万人。全体の7.3%を占めています。