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なぜ「大学」を中退するのか?
文部科学省によると、2021年度(4~12月)、2万9,733人の学生が大学を中退しました。前年から3.7%増となり、「コロナで中退する学生が増加」という印象を受けた人も多いかもしれませんが、コロナ禍前の2019年と比較すると、約17%ほど減少しています。
【大学中退者の推移】
2019年度(4~12月):36,016人(1.22%)
2020年度(4~12月):28,647人(0.97%)
2021年度(4~12月):29,733人(0.99%)
出所:文部科学省資料より
コロナ禍1年目では、授業が中止されたりと、大学中退を決断するほど大学との関わりが強くなく、中退者は大きく減少。コロナ禍2年目では、1年目では踏みとどまっていた人が先行きが見えないなか、中退の道を選択した……そのような顛末なのかもしれません。
中退理由の内訳をみていくと、最も多いのが「学生生活不適応・修学意欲低下」で19.8%。続いて「経済的困難」が15.9%と続きます。
一方、中退理由にコロナとあげた学生に限ると、「学生生活不適応・修学意欲低下」が10ポイント以上も数値が高く、30.3%。続く「経済的困難」も約4ポイントほど高い傾向にありました。
【大学中退の理由】
学生生活不適応・修学意欲低下:19.8%/30.3%
経済的困難:15.9%/19.9%
就職・起業:14.3%/8.4%
転学等:12.6%/7.1%
学力不振:7.5%/9.2%
心神耗弱・疾患:5.3%/5.3%
病気・けが・死亡:3.7%/2.0%
海外留学:0.8%/0.6%
出所:文部科学省資料より
感染拡大による休講、再開されてもWEBによる授業が多く、大学で知り合いもできず……夢見ていたキャンパスライフとはほど遠い現実に、大学に通う意義を見いだせなくなった学生も多かったのでしょう。