【関連記事】過去最高益「NTT」の平均給与…コロナ禍でもさすがの「高収入」の実態
コロナ不況の飲食業界…それでも伸びた企業は?
居酒屋チェーン大手のワタミが、国内で展開している居酒屋、80店舗を来年までに閉店する方針を固めたというニュースが報じられました。80店というのは、同社が展開する居酒屋の3割にあたります。
ワタミは緊急事態宣言等に伴う酒類提供停止の影響で、2020年度、グループ全体で売上が30%減、最終赤字110億円を計上していました。
不採算店舗を閉店する一方で、好調の焼き肉店などへ業務転換を検討する一方、需要が伸びている宅配事業を強化する見込みだといいます。
飲食業界では、コロナ禍で勝ち組と負け組が鮮明になりました。ワタミに限らず、営業時間短縮、酒類提供停止の影響を受けた居酒屋は大きく低迷。一方で、テイクアウトやデリバリー需要が増加したファーストフードなどは大きく伸長しています。
フードビジネス総合研究所によると、2020年度、外食上場企業の売上トップは、「ゼンショーホールディングス」で5,950億円。「すかいらーくホールディングス」が続き、2,884億円。3位は「日本マクドナルドホールディングス」で2,883億円、「FOOD & LIFE COMPANIES(元スシローグローバルホールディングス)」2,049億円、「吉野家ホールディングス」1,703億円と続きます。
また、2020年度売上高伸び率をみていくと、トップは「安楽亭」で73.0%増。家系ラーメンなどを展開する「ギフト」が続き、21.3%増。かつやなどを展開する「アークランドサービスホールディングス」が15.9%増、「日本KFCホールディングス」が12.6%増、肉汁餃子製作所ダンダダン酒場を展開する「NATTY SWANKYホールディングス」が6.8%増と続きます。
一方、対象94社のうち、伸び率ワースト1は愛知県を中心に居酒屋などを展開する「海帆」でマイナス78.3%。ワースト10のうち、8社は主に居酒屋を展開している企業でした。
東京商工リサーチによると、2021年の飲食業の倒産件数(負債1,000万円以上)は648件。前年比23.0%減でしたが、コロナ関連倒産は300件で全体の46.2%でした。コロナ関連倒産は、2020年度から2.1倍。コロナ1年目は支援金などで耐え忍んできたけれど、さすがに2年目は耐えられなかった……というところが多いようです。