2021年、個人情報漏えい・紛失事故は過去最多に
2021年に起きた上場企業とその子会社による個人情報の漏えい・紛失事故は、120社137件にのぼり、漏えいした個人情報が574万9773人分であったことが明らかになりました(東京商工リサーチ調査)。これは2012年に同調査が始まって以来、最多の件数となっています。
また、過去10年間で個人情報の漏えい・紛失事故を起こした上場企業は、全上場企業の1割を超えており、紛失した可能性のある個人情報も累計で1億1979万人分に達しています。ほぼ日本の総人口に匹敵する規模であり、誰にとっても個人情報漏えいは身近な事件となっています。
2022年に入っても、1月早々に中学受験の大手進学校による最大28万件あまりのメールアドレスの流出事故が報じられ、その後も、ある大学通信教育部のメール誤送信による申込者のアドレスの流出、中部地方のある県でのUSBメモリの紛失による情報流出など、ほとんど毎日にように全国のさまざまな場所で個人情報漏えい・紛失事故が起きています。
事故急増の背景に「個人情報流通量の拡大」がある
個人情報漏えい事故が拡大を続ける背景にあるのは、流通する情報量そのものの急速な拡大です。2回、3回のクリックで買い物ができ、決済も終えて早ければ翌日には荷物が自宅に届くというネットショッピングの便利さを感じている人は多いのではないでしょうか。
実際、この電子商取引(EC)市場は急速に拡大しています。経済産業省の調査では、消費者向け(B to C)EC市場規模は、2020年で約19兆3000億円に達しており、中心となる物販系分野は12兆2300億円で、前年比約22%の非常に高い伸びとなりました。
コンビニエンスストアの市場規模が、2020年で約11兆4000億円ほどですから、それを1兆円近く上回る巨大な市場になっており、今後も拡大を続けることは間違いありません。
この便利さを支えているのが膨大な個人情報です。以前のように、デパートなどの小売店に出かけて、店頭で品定めをして現金で購入し持ち帰るというスタイルなら、個人情報のやりとりは一切ありません。店舗側にもどこの誰が購入したのか、何一つ情報は残らないのです。
ところがインターネットショッピングは、購入者の住所、氏名、年齢、性別、電話番号、メールアドレス、クレジットカード番号、決済口座番号などの個人情報をすべてデータとして提供することで成り立っています。
しかも現在は、特にB to Cの市場で、デジタルマーケティングが主流になりつつあります。Webサイトへの訪問者が何を見ているかとか購買履歴などを細かく分析し、顧客一人ひとりのニーズに合わせてピンポイントで情報を提供して、より確実な販売につなげようとしています。
また、商品やサービスの受け手側も、自らの情報を出せば出すほどパーソナライズされた、より価値の高いものが受け取れることから個人情報の提供に大きな抵抗感はありません。こうして、個人情報の流通量は拡大の一途を辿り、情報漏えい事故件数の増加につながっているのです。
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