(※写真はイメージです/PIXTA)

「健康増進のためにいい」という食べ物や飲み物はたくさんありますが、そのなかで、実は歯に対しては大変害のあるものがあると、まつやま歯科医院の松山知明院長はいいます。具体的にはどのような食べ物、飲み物が挙げられるのでしょうか、みていきます。

「食後すぐの歯磨き」の是非

「食後すぐに歯をみがきなさい」と教わった人は多いと思います。ところが最近では逆に食後30分は歯をみがいてはいけないとの声も聞こえてくることがあります。

 

一体どっちが本当なのでしょうか。解説してみますが、その前に「酸蝕症(さんしょくしょう)」と「う蝕(しょく)」の違いを述べておきます。

 

「酸蝕症」と「う蝕」は、ともに歯の実質欠損を起こしますがメカニズムが少し違います。

 

酸蝕症は歯垢の付着すなわち磨き残しとは関係なく酸が直接歯の表面に作用して溶解します。

 

一方、う蝕は、歯垢がなければ発生しません。砂糖が虫歯の原因と言われますが歯垢がなければまったくう蝕にならないのです。

 

歯の表面に歯垢が付着しているところに砂糖を摂ると、歯垢中の虫歯菌が砂糖を分解して酸を作ります。この酸で初めて歯が溶け出します。このようにう蝕はやや複雑なメカニズムで起こります。

 

さてここで先の食後すぐの歯みがきの是非を考えます。酸蝕症の場合、強い酸性物質を摂った時に歯の表面が即座に障害を受けています。この状態で強い研磨剤の入った歯磨剤を使って歯ブラシをかけると、歯の表面が損傷を受ける可能性が考えられます。

 

よって酸性度の強い食物、飲料を摂った直後の歯ブラシは控えるのが正解ということになります。

 

ではう蝕ではどうでしょうか。う蝕の場合も砂糖の入った食品、飲料を摂ったときは歯の表面が脱灰という傷害を受けています。そうであるならば先の酸蝕症の場合と同じくすぐに歯みがきをしない方が良さそうです。

 

でもよく考えてみると元々歯ブラシが当たっていないので歯垢が残っているわけですから、食後すぐに歯をみがいたとしてもその歯面はいつもと同様に磨かれることはないでしょう。すると歯も傷害を受けないということになります。

 

この場合、食後すぐの歯みがきの是非は重要ではありませんね。

 

まずはかかりつけ歯科医院で担当の歯科衛生士さんにしっかりと歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどの使い方を教わることが重要となります。

 

 

松山 知明

まつやま歯科医院

院長

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』掲載の記事を転載したものです。