日本証券業協会による『個人投資家の証券投資に関する意識調査』。2006年から行われている調査ですが、2021年の結果から、日本人の投資に対する意識についてみていきましょう。
老後を見据えた資産形成…自身の傾向を知る重要性
これらの結果は、当然の結果だといえるでしょう。たとえば老後資金を見据えて投資をはじめたとすれば、若い人ほど遠い将来を見据えて投資を行うでしょう。高齢になれば、時間に限りはありますから、近視眼的な傾向になっても仕方がないといえます。
ただ近視眼的傾向の強さが思わぬ悲劇を生むことも。高齢者ほど目先の利益に目がいってしまい、いわゆる「投資詐欺」にあいやすいのは、高齢になるほど近視眼的傾向が強くなるから、といえるでしょう。高齢者が詐欺のターゲットになりやすいのは、この調査結果からも明らかなのです。
また投資家であれば「奥さんに投資を反対された」ということも珍しくないでしょう。これもリスクを嫌う傾向にあるという調査結果からも当然のことだといえるでしょう。いわゆる「嫁ブロック」と呼ばれるものです。特に嫁ブロックは、多額の初期投資が必要だったり、ローンを活用したりする不動産投資に対して、発動されることが多いようです。
――年金だけでは老後は安心できません。一人ひとり、老後に備えることが重要です
国が自助努力を促す昨今、資産形成は必須だといえます。そこで「投資」は有力な選択肢になりますが、投資であれば必ずリスクが伴います。できる限りリスクを排除しながら、資産を確実に構築していくために、近視眼的傾向や損失回避傾向がどれほどか、己を知っておくことも重要です。