製薬売上高トップ10企業…有価証券報告書から給与事情を探る
給与事情をみていきましょう。製薬会社は業種としては製造業、さらに化学工業に分類されますが、厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、平均年収*は604万6,000円(男女計、学歴計)。さらに従業員1,000人以上に限ると、平均年収は754万0,000円(男女計、学歴計)。大卒だと865万0,000円、大学院卒になると906万3,000円です。
*「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与、その他特別給与額」から推計
さらに有価証券報告書で売上高上位10社の平均年収をみていきましょう。ただし、2位「大塚ホールディングス」は持ち株会社によるものになる点は、留意する必要があります。
売上高トップの「武田薬品工業」の平均年収は1076万6,000円。ほか「アステラス製薬」「第一三共」「中外製薬」「エーザイ」は、平均年収1,000万円超えと、大台を突破しています。またほかの企業も800万~900万円代と、高給を誇っています。
■武田薬品工業
1,076万6,000円
(従業員:4,966人、平均年齢42.0歳、平均勤続年数:14.5年)
■大塚ホールディングス
991万6,447円
(従業員111人、平均年齢:44.1歳、平均勤続年数:3.6年)
■アステラス製薬
1,051万4,375円
(従業員:4,647人、平均年齢:43.0歳、平均勤続年数:17.1年)
■第一三共
1,116万8,555円
(従業員:5,703人、平均年齢:44.4歳、平均勤続年数:19.6年)
■中外製薬
1,100万1,796円
(従業員:4,876人、平均年齢:43歳3ヵ月、平均勤続年数:16年11ヵ月)
■エーザイ
1,042万4,202円
(従業員:3,005人、平均年齢:43.9歳、平均勤続年数:18.5年)
■大日本住友製薬
896万6,757円(従業員:3,067人、平均年齢:43.1歳、平均勤続年数:17.8年)
■田辺三菱製薬*
868万7,000円
(従業員:4,867人、平均年齢:44.2歳、平均勤続年数:20.0年)
*2019年3月期数値
■協和キリン
877万8,251円
(従業員:3,736人、平均年齢:42.6歳、平均勤続年数:17.4年)
■小野薬品工業
937万3,132円
(従業員:3,319人、平均年齢:42.6歳、平均勤続年数:16.3年)
今回、有価証券報告書から直近売上上位10社の給与事情をみてきました。大学院卒も珍しくない業界。そのため、全体的に平均給与は高水準の傾向にあるようです。