他人の資産を預かりそれを運用し、運用手数料や雇用主からの給料を収入源とする人たちを、ファンドマネージャーと呼びます。彼らはいわゆる「投資のプロ」です。彼らには誰もが太刀打ちできないと考えるでしょうが、実はプロに勝つ個人投資家も大勢いると、株式会社ソーシャルインベストメント取締役CTOの川合一啓氏はいいます。個人投資家がプロに勝てる理由をみていきましょう。
投資の世界で「プロに勝つ個人投資家」が大勢いる理由、4つ ※画像はイメージです/PIXTA

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理由① 個人投資家は運用規模が小さく、買える株の種類も多いから

時価総額が数十億円という企業もあります。そして、その時価総額中の一定以上は特定株主である場合も多く、市場で売買可能な金額はさらにそこから少なくなります。したがって、実際は数十億円から数億円分程度しか株式が流通していない企業の株というのもあるのです。そういった株は流動性が低いため、1日に1度も取引が成立しないこともあります。

 

こういった株は、まとまったお金を運用しているファンドマネージャーにとっては投資対象になりません。運用資金に対して微々たる利益にしかなりませんし、そもそも売買を成立させるのも難しくなるからです。

 

しかし、それと比較すれば少額を運用している個人投資家にとっては、投資対象となります。中には配当利回りの高い株や、財務優良にもかかわらず異常に割安になっている株などもあり、「掘り出し物」を見つけやすい領域でもあるのです。

 

つまり個人投資家は、運用規模が小さいがゆえに買える株の種類が多く、チャンスも多いといえるのです。

理由② 個人投資家は機動的に動けるから

運用規模の小ささとも関係するのですが、個人投資家にはプロと比べて、「機動的に動ける」という有利な点もあります。

 

ファンドマネージャーを中心にアナリスト等スタッフがそれをサポートするなど、複数人で投資をしている場合、即断即決ができなくなります。周りの意見も聞きつつ、という形になってしまうでしょう。そして先述の運用規模の大きさから、1銘柄の株を買い集めるのにも時間がかかりがちです。

 

要するにプロは、アイデアが芽生えてから実際に売買を済ませるまでの時間が、どうしてもかかってしまうのです。一方の個人投資家は、自分で決め、比較的少ない金額で売買をするため、そのための時間もあまりかかりません。したがって、「安く買って、高く売る」ことがしやすくなります。このように機動的に動けるという点も、個人投資家には有利な点なのではないでしょうか。