株価が上がればそれが続くと思って買いたくなり、株価が下がれば不安になって売りたくなり、結局「高く買って安く売る」ことをしてしまいがちなのが、人間心理です。しかし、それでは損をするだけです。「冷静さ」は株式投資にとって重要な要素なのです。そんな「冷静さ」を保つための方法を、株式会社ソーシャルインベストメント取締役CTOの川合一啓氏が解説します。
株式投資に焦りは禁物…プロトレーダーが実践する「平常心」を保つ方法、3つ ※画像はイメージです/PIXTA

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平常心を保つ方法①…投資に回す金額を調整する

貧すれば鈍する、という言葉があります。経済的に余裕がなくなると、苦しい生活を乗り切ることだけを考えて頭の働きも悪くなってしまう、といった意味の言葉です。

 

そして個人投資家も、少ない有り金をすべて投資に回してしまうなど、生活を脅かすような投資をすることで心に余裕がなくなり、冷静な判断ができなくなってしまうことがあります。

 

株価は一時的に下がることがあります。場合によっては、短期間で数十%下がってしまうこともあります。ですから、それでも冷静さを保てる範囲内の金額で投資をするべきではないでしょうか。

 

たとえば、「OO円は必ず現金を残しておく」「現金と株式の比率がO:Xになるように株を売買する」など、自分の経済状況に合わせたルールを決めて、常に余裕のある投資をするのです。

 

そうすれば、「絶対に損はできない」「損失分をすぐに取り返さないといけない」などと心が乱れることも少なくなるでしょう。投資に回す金額を調整することで、冷静に投資ができるようになるのではないでしょうか。

平常心を保つ方法②…十分に納得してから売買する

「株価」は、市場の評価です。しかし、人の気持ちなど変化するものなので、その評価は揺れ動きます。したがって、ある時点で適正に評価されている銘柄もあれば、過大評価されている銘柄や過小評価されている銘柄もあります。市場全体が過熱することも、暴落することもあります。そして究極的には、適正な株価というのは定かでないのかもしれません。

 

投資をする際には、そんな移り気な「株価」を冷静に捉え、安い時に買い、高い時に売らなければ、利益を出すことができません。そしてそのために必要なのは、売買における十分な「納得」ではないでしょうか。

 

よく調べ、考え、納得して買った株ならば、少々値下がりしても保持し続けられるでしょう。また売る時も、「この株価なら割安ではない」「しばらく下がり続けるだろうから、利益を確定しておこう」などの十分な納得があれば、躊躇せずに済みます。

 

もちろん、未来は不確実ですから、十分に納得して売買をしても結果的に失敗することはあります。それが投資というものです。しかし、十分に納得して売買をすれば冷静でいられるため、よく考えずに買ってしまうという失敗や、売買のタイミングを誤るといった失敗を、一定以上回避することができます。そしてそれによって防げる損失・得られる利益は、思った以上に大きくなるのではないでしょうか。