都道府県ごとにパートの給与事情をみていくと…
苦境に立たされながらも、待遇改善へと向かっている短時間労働者。その給与事情をみていきましょう。厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、1日あたりの所定内実労働時間は平均5.2時間で、実労働日数は14.7日。平均時間給は平均1,412円で1ヵ月に14万8,000円ほどを手にする計算です。住民税や所得税などをひくと、手取り12万円ほどになります。
さらに都道府県ごとにみていきましょう(関連記事:『【2022年】都道府県「パートの時給・年収」ランキング』)。
1ヵ月の労働時間が最も長いのは「宮崎県」で93.3時間。「青森県」「岩手県」「熊本県」「鹿児島県」と続きます。一方で最も短いのは「神奈川県」で68.6時間。「東京都」「京都府」「兵庫県」「大阪府」と続きます。
続いて、時給をみていくと、最も高いのは「東京都」で1,820円。「大阪府」「京都府」「神奈川県」「愛知県」と続きます。一方で最も安いのは「宮崎県」で1,083円。「青森県」「鹿児島県」「岩手県」「長崎県」と続きます。
【都道府県別「パートタイムの平均月労働時間」上位5】
1位「宮崎県」93.3時間
2位「青森県」91.3時間
3位「岩手県」90.6時間
4位「熊本県」89.6時間
5位「鹿児島県」89.1時間
【都道府県別「パートタイムの時給」上位5】
1位「東京都」1,820円
2位「大阪府」1,587円
3位「京都府」1,546円
4位「神奈川県」1,537円
5位「愛知県」1,443円
出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』
労働時間、時給、さらに賞与や手当を加味した年収をみていきます。最も高いのは「東京都」で156万0,928円。続く「大阪府」は143万2,008円。「群馬県」「京都府」「香川県」と続きます。一方で年収が最も低いのは「福岡県」で114万9,529円。続く「三重県」は116万8,596円。「愛媛県」「北海道」「広島県」と続きます。
パートタイムといっても、時給にして1.7倍の地域差があり、年収でも1位と47位で40万ほどの差が生じていました。仕方なくパートをしている人が多い地域もあれば、生活費の足しにと、「103万円以内」で働いている人が多い地域もあるので、一概に格差を評価することはできません。ただ「同じような仕事なのに……」と落胆している人もいるでしょう。
また、なかには就職難に見舞われ、正社員で働くことが叶わず、パートタイムで何とか食いつないできた人も含まれています。同調査によると、正社員の平均年収は521万5,400円。そこには残酷なまでの給与差が生じています。