内閣府は『国民生活に関する世論調査』の結果を発表しました。そこからみえてきたのは、将来に希望を見出すことのできない、日本人の姿でした。
将来があまりに不安…月収中央値「26万円」の日本人の手詰まり感 (※写真はイメージです/PIXTA)

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日本人「現状の生活」に不満が4割強、「現状の収入」に不満が6割弱

内閣府は、昨年9月16日~10月24日に全国18歳以上の日本国籍を有する人に対して『国民生活に関する世論調査』を実施しました。この調査は「現在の生活や今後の生活についての意識、家族・家庭についての意識など、国民の生活に関する意識や要望を種々の観点でとらえ、広く行政一般の基礎資料とする。」というもの。

 

「去年の同時期と比べて生活はどうか」尋ねたところ、「向上している」は3.6%、「同じようなもの」は70.2%、「低下している」は25.9%。前回2018年調査と比べて、「向上している」が大幅減、「低下している」が大幅増となりました(図表)

 

出所:内閣府『国民生活に関する世論調査』より
[図表]前年同時期と比較した生活の状況の推移 出所:内閣府『国民生活に関する世論調査』より

 

また「現在の生活に対する満足度」を尋ねたところ、「満足」(「満足している」「まあ満足している」の合計)が55.3%、「不満」(「やや不満だ」「不満だ」の合計)が44.3%。

 

一方、「収入の満足度」に限定すると、「満足(「満足している」「まあ満足している」の合計)が39.7%、「不満(「やや不満だ」「不満だ」の合計)」が59.7%。いまの日本では6割の人が収入に対して不満を抱いているという状況。コロナ禍、減給や賞与なしのニュースのように、厳しい懐事情に陥った人も多く、その結果が如実に反映されています。

 

年齢別にみていくと、20代と40代前半で「不満」の高まりがみてとれます。コロナ禍で収入が不安定になった人が多かった若い20代と、氷河期世代にあたる40代前半が、収入に対して不満をつのらせている構図です。

 

また60代前半でも不満の割合の高まりがみられるのは、年金暮らしを前にした不安からだと推測されます。

 

【年齢別「収入に対する満足度」】

「18~19歳」59.4%/37.5%

「20~24歳」36.7%/62.2%

「25~29歳」23.5%/76.5%

「30~34歳」39.6%/60.4%

「35~39歳」47.8%/52.2%

「40~44歳」34.5%/65.5%

「45~49歳」38.4%/61.1%

「50~54歳」44.3%/55.1%

「55~59歳」38.9%/61.1%

「60~64歳」33.1%/66.9%

「65~69歳」39.4%/60.0%

「70~74歳」37.2%/60.9%

「75~79歳」39.6%/59.7%

「80歳以上」49.7%/50.3%

 

出所:内閣府『国民生活に関する世論調査』(令和3年度)より

※数値左:「満足」の計、数値右:「不満」の計