子どものウイルス性胃腸炎…「コップ1杯の水」で症状悪化の危険性【小児科医が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

ウイルス性胃腸炎は冬場に流行りやすく、この時期は保育園などで大流行の恐れがあります。また、子どもがウイルス性胃腸炎にかかった際、適切に対処できなければ症状が悪化する危険もあると、小児科医の米田真紀子氏はいいます。ウイルス性胃腸炎に関する正しい知識とともに、もし子どもがウイルス性胃腸炎になった際、気を付けなければならないことをみていきましょう。

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突然の嘔吐下痢!ほとんどは「ウイルス性胃腸炎」

コロナ禍の2021-2022年のシーズンはインフルエンザがあまり報告されていません。ただ、全国的に胃腸炎が流行している地域が多いです。

 

夕食時まではすこぶる元気でパクパクごはんを食べていた子が、夜中に突然起きて嘔吐したり、下痢をしてしまったりした経験をもつ保護者も多いのではないでしょうか?

 

食べ過ぎたのではないか、なにか食べたものが悪かったのではないか、と思われるかもしれませんが、小さいお子さんでは多くの場合、「感染性胃腸炎」にかかっています。

 

感染性胃腸炎とはその名のとおり、ウイルスあるいは細菌の感染により胃腸に炎症が起こった状態です。原因となる微生物にはたくさんの種類がありますが、多くがウイルス性で、ノロウイルスやロタウイルスなどが有名です。

 

細菌であればサルモネラ菌やカンピロバクターなどが有名ですが、これらは食中毒とも関連する微生物でもあるので、発症前に摂取した食物の情報が診断に結びつくこともあります。

 

ウイルスの種類によっては抗原検査をする方法もない

ウイルスは、前述のとおり「ノロ」や「ロタ」などが有名ですが、その他にも「アデノ」や「サポ」、「アストロ」といったウイルスが原因となっていることもあります。

 

外来ではよく「ノロじゃないですか?」と気にされる方がいますが、ノロウイルスであれロタウイルスであれ、感染対策は大きく変わらないうえ、治療方針も基本的には同じなので、病原微生物の診断は必ずしも必要ではありません。

 

2022年1月現在、ノロウイルス、ロタウイルスそしてアデノウイルスについてはウイルス迅速検査の保険適応があります(※)が、その他のウイルスについては、一般的には抗原検査をする方法もありません。

(※)ノロウイルスの保険適応は3歳未満あるいは65歳以上の患者、もしくは免疫抑制状態にあると判断される患者に限定されています。

 

どのウイルスも、人から人に感染するウイルスなので、保育園児などのあいだで大流行します。

 

医療法人 啓信会きづ川クリニック 小児科医

日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
1981年生まれ。平成19年滋賀医科大学医学部卒。同年4月より滋賀医科大学付属病院にて初期研修の後、同大学小児科学教室入局。平成23年より済生会滋賀県病院勤務の後、平成27年より京都きづ川病院勤務。
その間、3人の子供に恵まれ、育休・産休を取得しつつ、現在はその経験を生かして、患者とその家族の心に寄り添う診療を心がけている。一般診療から小児救急、新生児領域まで幅広い経験を有する。

著者紹介

連載現役医師が解説!様々な「カラダの不調」への対処法

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