身近にあるものの、なかなか気に留めることが少ない「雑草」。実は、薬になったり、食べたりすることができるものが数多く存在するのです。本記事では、雑草学博士の小笠原勝将氏が、「役立つ雑草」について紹介していきます。
食べられる、薬になる…雑草学博士が紹介する「身近な雑草」の豆知識 (※写真はイメージです/PIXTA)

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イタドリの由来は「痛みを取る」…薬になる雑草たち

雑草の中には人の役に立つものがあります。まず、薬用になる雑草です。センブリやイチヤクソウをはじめ、多くの薬用植物が人の生活圏からやや離れた里山に生育していますが、身近な場所にもイタドリ、ドクダミ、タンポポ、ヨモギなど、薬草として利用される雑草が生育しています。

 

イタドリの和名は「痛みを取る」に由来し、鎮痛剤になるだけでなく若芽は食用にもなります。ドクダミの別名は十薬で動脈硬化から利尿まで、さまざまな効能を示すことから名付けられました。

 

セイヨウタンポポは明治初期に北米から野菜としてわが国に導入された植物で、根はタンポポコーヒーになり利尿作用があります。カフェインを含まないことから子供や妊婦用に重宝されています。

 

また、ヨモギは草餅として食されますが、その理由はヨモギの芳香や薬効だけでなく、「艾(もぐさ)」の原料になる葉裏の軟毛と関係しています。軟毛があるからこそ餅や米粉と良く混じりますが、これがホウレンソウだったら均一には混じりません。