世界でも長寿大国である日本。しかし、不安のなか長生きしても幸せとはいえません。できれば、余裕のある老後を送りたいもの。そのためにはいくら必要なのか、考えてみましょう。
日本人の平均寿命「男性81.64歳、女性87.74歳」…余裕ある老後のための「貯蓄額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

年金受給額、平均14万円…老後のためにいくら必要?

年々、寿命は更新されていますが、老後、健康的な生活を送るためにはお金は不可欠。老後に必要な生活費は、どれくらいなのでしょうか。公益財団法人生命保険文化センター『令和元年度生活保障に関する調査』で「夫婦2人の最低限の老後資金」をたずねたところ平均月22.1万円。「夫婦2人ゆとりある老後生活のための必要額」は平均36.1万円でした。

 

老後、主な収入源となるのは公的年金。厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金の平均年金受給額は月額14万6,145 円、国民年金で月額5万6,358 円です。

 

この年金額で足りるか足りないかは人それぞれ。足りない場合は、当然、貯蓄を取り崩していくことになります。また現在、年金の受給は65歳を基本とし、60~70歳まで選択することができます。年金受給を遅らせた場合、年金額は増加し、70歳を選択した場合、65歳と比較して最大42%ほど増加します。受給開始年齢はライフスタイルに合わせて検討することが重要です。

 

会社員夫婦が定年後に手にする年金額が計28万円ほどだとすると、前出の調査結果「高齢者夫婦の必要最低限の生活費」は年金だけで十分だということになります。さらに「余裕ある暮らし」を目指すなら、月に8万円ほど足りず、貯蓄を取り崩す必要があるということになります。

 

月に8万円ということは、1年で96万円。仮に共に65歳の夫婦だとすると、前述の平均余命からすると、備えるべきは男性は20年あまり、女性は25年あまり。夫婦で2,000万円程度の貯蓄があれば、ゆとりある老後が担保されるというわけです。

 

実際に手にする年金額はそれぞれですし、それで足りるか足りないかも人それぞれ。余裕を感じる水準もまた異なります。1年の始まりのお正月、良い機会なので、老後を見据えてどう資産形成を進めるか、どのような老後をかなえたいのか、家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。