(※写真はイメージです/PIXTA)

認知症は発症までに約20年を要すると言われています。脳細胞は若いうちから長い時間をかけて減っていくのです。また発症自体が、40・50代といった働き盛りの年代で起こることもあるため、「早めの予防」が肝心です。認知症の発症を防ぐための「脳の予備力アップ方法」について、認知症を専門とする精神科医の豊田早苗氏が解説していきます。

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「若いから認知症とは無縁!」…には要注意

認知症というと高齢者の病気というイメージがありますよね。

 

でも、認知症は決して、高齢者の方だけがなる病気ではありません。40・50代といった働き盛りの年代の方でも認知症(若年性認知症)になってしまうことがあるのです。

 

●血圧が高い

●血糖値が高い

●中性脂肪やコレステロールが高い

●お酒を沢山飲む

●タバコを吸う

 

上記に当てはまる方は、認知症を若年発症しやすいと言われていますので要注意です。

 

また、認知症は、発症するまでに約20年かかるといわれています。つまり70歳で認知症を発症した方は、20年前の50歳の時には、すでに脳細胞が死滅していく変化が起きていたことになります。

 

自分はまだ若いし、認知症とは無縁! なんて思っていても、すでに脳では認知症へのスタートが切られ、脳細胞の死滅が起こり始めているかもしれません。

 

若いうちからの予防対策で認知症の発症を防ぎましょう!

認知症予防の鍵は予備力アップ!

なぜ認知症は、発症するまでに長い時間がかかるのでしょうか?

 

それは、人間の脳は常に全力全開で働いているわけではなく、いざというときに備えて余力を残していることと関係があります。

 

この普段は使われず、必要なときに使われる余力を脳の「予備力」と言います。

 

認知症はもちろんのこと、年を取ることでも、脳細胞は減っていきます。

 

ですが予備力があるお陰で、加齢により多少脳細胞が減っても、将来的に認知症を発症する脳細胞の破壊が多少起こっても、今までと変わらない日常生活や社会活動を行うことができます。

 

つまり、認知症としての脳細胞の破壊が起こっても、予備力でカバーできる限りは症状が出ることはなく、生活に支障が出ることもないのです。

 

ただ、認知症は進行性の病気です。症状は出なくても脳細胞はどんどん破壊されていきます。

 

そして、脳細胞の破壊が進み、予備力でカバーしきれなくなったとき、物忘れや時間感覚のズレなどの認知症の症状が表に現れてきます。

 

認知症は、ある日突然に、脳の細胞破壊が始まり、気付かないところで進行、20年という長い月日を経て、発症する病気です。脳細胞の破壊がいつ起こるのかは誰にも予測できませんし、始まったことに気づくこともできません。

 

つまり、認知症のスタートを食い止めることは不可能です。

 

ですが、脳の予備力をアップさせることができれば、認知症の発症を防ぐことができます。

 

「認知症の発症を防ぐ」、これが認知症予防であり、いかにして予備力をアップさせるかが認知症を予防するカギです。

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。