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感情を排した機械的なロスカットが必要
一般的に、ロスカットは機械的に行うほうがよい、といわれています。
たとえば「20パーセント値下がりしたら売る」などのルールを定めておいた場合、購入時の株価が1,000円ならば、1,000×0.2(20%)=200ですので、200円値下がりしたら、すなわち「株価が800円まで下がったら売る」と決めておいて、そのルールに従って機械的に売るのです。
ノーベル経済学賞を受賞したアメリカのカーネマン氏によって発表された「プロスペクト理論」によれば、人間は利益よりも損失に敏感に反応する傾向があるため、損切りできずに値が戻るのを待ち続けてしまうのも無理はありません。皆さんにも、心当たりがあるのではないでしょうか。
そのため、このような人間本来の性質によって損失を広げないためにも、感情を排した機械的なロスカットが必要だといわれているのです。
ロスカット基準に「定性的な評価」も加えてみよう
しかし、そういった定量的な計算式以外にも、定性的な評価によってロスカットができれば、より一層の投資成績向上も望めるのではないでしょうか。
具体的には、購入後に「株価変動のシナリオ」に変化があったら、ロスカットしてしまうのです。
たとえば、ある株を買い、「単なる偶然でも20%までは下がり得るので、それ以下になったらロスカットしよう」と考えていたとします。しかし、その銘柄でも市場全体でも、長期的な影響を及ぼすであろう「シナリオの変化」が起きた場合は、それに満たない値下がり率でも売ってしまうのです。
要するに、最初に想定した計算式は、あくまで計算式であり、万能ではないということです。
もちろん前述のとおり、厳密にそれを守ることも必要です。しかし、当初の前提が崩れ、その計算式が意味を持たなくなることもあります。そういう時には思い切った行動に出ることで、投資成績の一層の向上が望めるのではないでしょうか。