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スキャルピングでは機械的な損切りが基本
まず基本として押さえておきたいのは、「スキャルピングでの損切りはごく機械的におこなう」ということです。
投資期間が長期であればあるほど、柔軟な損切りが可能になります。
たとえば保有株が値下がりしても、
「この株は現時点でどう考えても、下がる確率よりは上がる確率が高い。だからまだ様子を見よう」
「いまは一時的に下げているけど、株価は割安だと思うのでいずれまた上がるだろう」
「ここで売っても他に買いたい株がないので、とりあえずは保有しておこう」
「この株は永久保有してもよい」
などの判断ができるからです。
もちろん投資期間に関わらずルールに基づいた機械的な損切りをしてもよいのですが、それが長期であるほど、そのルールに柔軟性を持たせられるのです。
しかし、スキャルピングとは数秒や数分以内で売買を完了させる手法です。したがって、そのように損切りを引き延ばしていたら、スキャルピングではなくなってしまいます。
ですから必然的に、スキャルピングでは機械的な損切りが基本となる、といえるのです。
値下がり率で損切りする
では、スキャルピングでの損切りについて、具体的手法を検討してみましょう。
まずは、値下がり率で損切りをする手法があります。
「買値より0.5%下げたら売る」
「1%下げたら売る」
などのルールをあらかじめ作っておき、それに従って損切りをするのです。
これはどんな期間での投資にも見られるオーソドックスな手法ですが、「過大な損失を防ぐ」という点でやはり有効な手法です。
あくまで確率論的にですが、一度下がった株が元の値に戻りさらに上がる可能性は、そうでない確率よりも低くなります。
もちろんそういった数学モデルが当てはまらないことも多々あるでしょうが、スキャルピングは超短期取引であるため偶然に左右されやすく、そういった数学モデルが当てはまりやすい傾向にあるはずです。
したがって、スキャルピングにおいても値下がり率に応じた機械的な損切りは、有効だといえるのです。
時間で損切りする
また、超短期取引であるスキャルピングの特性を生かし、時間で区切って損切りをするという手法もあります。
「1分経って値下がりしていたら売る」「2分経って値下がりしていたら売る」などのルールに応じて損切りをするのです。
ちなみにこれは、利確と混ぜて使うことも可能です。「1分経ったら利確または損切りする」「2分経ったら利確または損切りする」などのルールを定めるのです。もちろん、「1分経って値下がりしてたら売り、そうでなければもう1分待つ」「2分経って値下がりしてたら売り、そうでなければもう1分待つ」などのルールを定めてもかまいません。
大切なのは、機械的に、自分で定めたルールを厳守して売買する、ということです。