「よい会社」に投資し、その会社の成長に応じて利益を得るのは、株式投資の醍醐味だといえます。しかし、そんな「よい会社」へむやみに投資をすることには、実は危険もあると株式会社ソーシャルインベストメント取締役CTOの川合一啓氏はいいます。「よい会社」に投資することの危険性についてみていきましょう。
「これはよい会社だ!株を買おう」の判断が正解とは言えないワケ ※画像はイメージです/PIXTA

株価が適正かどうかわからない

株価には、投資家が予想する「未来」が反映されているものです。今後の安定や成長が期待されている会社はPER・PBR・配当利回りなどの一般的指標が割高になり、そうでない会社はそれらが割安となる傾向があります。株価は、その会社の現在価値だけを反映しているわけではないのです。

 

そのため、基本的に「よい会社」の株価は、現在価値に比べて割高になる傾向があります。

 

成長著しい会社ですと、何年も先の利益を織り込まれ、PERが数十倍や100倍以上になっていたり、PBRも5倍や10倍であったり、配当利回りもほぼゼロになっていたりします。また、成長のために配当は出さず、そのお金はすべて投資に回す、という方針を掲げる会社もあります。

 

さて、そんな投資家の未来予想が反映された割高の株価ですが、果たしてそれが本当に適正価格なのでしょうか。買う前に一度考えておくべきでしょう。

 

多くの投資家の楽観が、バブルや過剰な株高を生みます。そしてそれが幻想だと気がついたときに、株価が急落するのです。

 

「よい会社」の株は、よい未来への期待とともに高くなりがちです。しかし、それが幻想も混じった過剰な株高なのか、それとも本当に適正な株価なのかを考えずに投資をするのは、危険なことでもあるのです。

「よい会社」の株を買うときは慎重に

このように、一般的に「よい会社」だと思われている会社でも、財務諸表を見ると実はそうではない、というケースは珍しくありません。

 

また、いまの時点で本当にそれがよい会社だったとしても、その「よい」状態が今後も続くかどうかはわかりません。未来は不確実です。

 

そして、「よい会社」の株価は現在価値に比べて割高になる傾向がありますが、それが本当に適正な株価なのかどうかもわかりません。幻想の混じった過剰な株高の場合もあります。

 

逆説的ですが、「よい会社」の株を買うことには、以上のような危険があります。ぜひそれらも考慮したうえで、本当によい会社の株を、適正な価格で買えるように心がけてください。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
川合 一啓

 

 

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