「将来は…」配達のコツを摑み始めた竹田さんの展望
「家族3人で生活していく分には困らないが、決して贅沢はできない。急な出費が発生すればサラリーマン時代の蓄えを切り崩すことになる。もっとも、軽トラ1台では十分に稼げないことは最初からわかっていた。成功した元同僚のように将来はドライバーを雇用して保有台数を増やしていきたい。それにはまず仕事を覚えないといけないと思い、自分でハンドルを握ってみることにした」
元請けとは3ヵ月更新の業務委託契約を結んでいる。慣れない仕事の毎日で心身ともに疲弊していた竹田さんは、最初の更新のタイミングで、店じまいすることも考えたという。
しかし、3ヵ月間の実務経験を通じて“配達のコツ”のようなものを摑み始めていた。体重も下げ止まった。
ここを乗り越えられれば、必ず道が開けてくるはず。
そう判断して元請けに契約の継続を申し出た。実際、その後は担当するエリアの地理や特性への理解が深まり、効率よく配達できるようになり、肉体的・精神的負荷は徐々に軽減していった。結局、竹田さんは3度の契約更新を経て、軽トラドライバーとして2度目の春を迎えた。
刈屋 大輔
青山ロジスティクス総合研究所 代表