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国内航空会社の紆余曲折
コロナ禍で大きな影響を受けた業界として挙げられるのが航空業界。度重なる緊急事態宣言により、海外への渡航はもちろん、国内の移動も制限され、日本では国内線67%減、国際線96%減。航空各社は大きく売上を落としました。
昨今、ビザ条件緩和などを受けて、インバウンド需要が増加。2019年には訪日外国人数が3,188万人を突破し、東京五輪が開催される2020年は4,000万人突破と目論んでいたわけですが、事態は一変し、航空需要はまるまる蒸発したカタチに。スカイマークは上場を取り下げ、エアアジア・ジャパンは撤退を発表しました。
世界では昨年5月にタイ国際航空が破産申請、 同8月にヴァージン・アトランティック航空が米国で破産申請、2021年9月にフィリピン航空が米国で破産申請など、経営破綻が相次いでいます。
日本の航空会社の歴史を振り返ってみると、戦後、占領下の日本では航空の活動が全面的に禁止され、解禁されたのは1950年。このとき誕生したのが、日本航空(JAL)で、翌1951年に運航を開始しました。
その後、相次いで航空路線の開設が計画されるなか、政府は国際線、国内幹線を日本航空、ローカル線を東西に分けることに。こうして東日本では日本ヘリコプター輸送、西日本では極東航空が運航を開始します。しかしローカル路線を運航する2社は経営が厳しく、当時の運輸省の指導で2社は合併。全日本空輸(ANA)が誕生します。
また不定期ローカル路線であれば国内航空路線を運航できるとされ、東日本に日本国内航空(JDA)、西日本に東亜航空(TOA)など、多くの航空会社が就航。1971年に日本国内航空と東亜航空は合併し、東亜国内航空が誕生(1988年に日本エアシステムに変更)。日本国内は長らく3社体制が続きます。
その後、1987年、日本航空の完全民営化を経て、2002年に日本航空と日本エアシステムは統合。一方、規制緩和によって、スカイマークエアラインズ(SKY)、北海道国際航空(ADO、現AIRDO)、スカイネットアジア航空(SNA、現ソラシドエア)、スターフライヤー(SFJ)など新規航空会社が相次いで参入。また近年は相次いでLCCが誕生しました。また2022年10月を目途に、AIRDOとソラシドエアは共同持ち株会社を設立して経営統合。2社の羽田発着枠を合わせると、スカイマークを抜いて国内第3位となる予定です。