2016年、選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、実は来年の4月、成人年齢そのものが20歳から18歳に引き下げられます。この改正により、どのようなことが変わるのでしょうか。みていきましょう。
成年年齢引下げ…2022年4月「18歳から成年」で何が変わるのか? (※写真はイメージです/PIXTA)

「18歳から新成人」で消費者トラブル増加の懸念

民法では、未成年者が親の同意なしに契約した場合、原則、契約を取り消すことができます。しかし、来年4月1日からは18歳は成人扱い。悪徳商法にひっかかるのではないか、多額のローンを組んでしまうのではないか……保護者の心配はつきません。

 

新しく成人となる人たちが過大な債務を負わないようにする取り組みが求められています。日本貸金業協会が消費者向け貸付けを行っている協会員547社に対して行った調査によると、2022年4月以降の対応について、以下の通り回答しています。

 

【若年層の顧客に対する貸金業界の取組み】

■2022年4月以降の貸付方針

「18~19歳の一般の顧客を貸付対象とする」25.0%

「学生の顧客を貸付対象とする」12.4%

 

■2022年4月以降の親権者(親)の同意の取得方針

「18~19歳の一般の顧客を貸付対象とする」者のうち29.6%、「学生の顧客を貸付対象とする」者のうち36.5%、顧客への貸付けに当たり親の同意を取得すると回答

 

■2022年4月以降の利用限度額の設定方針

「18~19歳の学生の顧客を貸付対象とする」者の46.2%が、これらの顧客への貸付けに当たり利用限度額を通常より低く設定すると回答

 

■2022年4月以降の資金使途の確認方針

「18~19歳の一般の顧客を貸付対象とする」者の61.9%が、これらの顧客への貸付けに当たり資金使途の確認を行うと回答

「18~19歳の学生の顧客を貸付対象する」者の63.4%が、これらの顧客への貸付けに当たり資金使途の確認を行うと回答

 

出所:日本貸金業協会「若年層の顧客に対する貸付方針・取組状況等に関する調査結果」

 

業界単位、企業単位で若年層保護に務めていますが、100%守れるというわけではないので、まだまだ親が果たす役割は大きいといえるでしょう。

 

一方で、NISA口座開設の年齢要件も、現行20歳以上から18歳に引き下げられます。実施は2023年1月1日以後に設けられるNISA口座。将来を見据えての資産形成も、18歳から自分の意思で行えるようになるということ。これを機会に、親子で“お金”の勉強をはじめてみてはどうでしょうか。