ポイント3:儲けは消費せず「再投資」にまわす
なお、得た利益を再投資するのとしないのとでは、運用成績に大きな差がつきます。これまでの例はすべて、得た利益を再投資するという仮定で述べてきました。
しかし、たとえば年平均20%値上がりする株を20年間持ち続けた場合、値上がり分を再投資しなければ、元本は5倍にしかなりません。ところがその値上がり分を再投資し続ければ、元本は38倍以上になります。
このように、利益を再投資して元本を膨らませていくことで、運用成績も飛躍的に向上していくのです。そしてこのことは個人投資家に、「儲けは消費せず再投資する」ことを指摘しているようにも思えます。
もちろんそれは個人の自由なのですが、儲かったお金をつかってしまうのではなく、それを再投資することによって、やはり運用成績は上がっていくのです。
ポイント4:「税金」と「手数料の節約」を意識する
また、税金と手数料の節約も、運用成績向上の一役を担います。
売買には手数料がかかりますし、その手数料には消費税がかかります。また、配当を得ても、売却益を得ても、それに応じた税金がかかります。手数料と税金は、株式投資をする上で必要なコストなのです。
特に、投資金額が大きくなるほどそれらの金額も大きくなります。また、これまでの例では考慮していませんでしたが、売買回数が増えるにつれてそれらの金額も大きくなります。ですから実質的な運用成績向上のためには、税金も手数料も、よく考えるべき要因なのです。
対策としてはたとえば、自分の取引スタイルに合った証券会社と手数料プランを選ぶ、むやみな売買をしない、NISA講座を開設する、NISA講座で買った銘柄は配当も無税になるのでなるべく売らない、前述のアップルのような成長株は売らずに保持し続ける、などが考えられます。
もちろん、手数料と税金の節約のため売買のタイミングを誤って損をするならば、それは本末転倒です。それらを払っても儲かる売買ならば、ためらう必要はありません。しかし、売買に必要なコストであることも間違いありませんので、実質の運用成績を向上させるためには、やはりそれらの支払いを最低限に抑えることも考えるべきでしょう。
まとめ:運用成績向上のためにできる地味な努力もある
大きく値上がりする株をいかに買えるかが、運用成績向上のためには重要でしょう。
しかしながら、小さな利益でも売買回転率を上げることや、利益を確実に再投資すること、税金と手数料を節約することなど、地味な努力によっても運用成績は上げることができます。
それらも総合的に考慮しながら、運用成績向上を目指すことをおすすめします。